続 》彼女もペットじゃないって知ってます？【夏油傑】[完]

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-夏油side-




「なっ！ごっ‥、」

『さーとーるー‥‥』

『やっぱりそーゆう事じゃん♡』




ニヤニヤ笑う悟。
あの顔の時はろくな事を考えていない


顔を真っ赤にして俯く彼女を
そっと背に隠した




『悟、女性に気軽に触れるもんじゃないよ』

『伊地知が
　最近傑の機嫌が良いって言ってたのって
　ソレと関係あんの？』




伊地知‥

また胃を悪くして入院したいのか。




『ある、って言ったら？』

『えーなんか興味ある』




あのヤリ捨てマンの傑がだよ？と
わざとらしく言い放つ悟。




『悟は興味持たなくていい』

『傑が良くてなんで俺はだめなんだよ』

『彼女はわたしのだと、前も言ったはずだよ』

『えーそうだっけー』




白々しいよ全く。



昔から勘がいい悟のことだ。


きっとわたしが何も報告しないのを
からかう為の行動なのだろう。


にしてもいただけない。




『なんなのお前ら。いつから？
　つかここでソンナ事やってんの？』

『悟、発言を慎んだほうがいい』

『はぁー?!あんな痕つけまくってて
　慎んだほうがいいのはどっちだよ』




うーん、どうしよう。
珍しく正論を浴びせられている。






　 ◇◇◇◇◇




-Aside-




あの後
夏油さんにつまみ出された五条さん。


まだ話は終わってねぇー!!とか叫んでたけど
副社長をあんな扱いにして大丈夫なのだろうか。




『悟はあんなのでへこたれないから』

「ふふっ、賑やかな人ですね」

『てゆうか‥悟がごめんね』



そう言って、
自身の首を指先でトントンしながら
こちらを見た。



「っ!!あー‥バレちゃいましたかね‥」

『悟はああ見えて頭は切れるからね。
　下手なことはしないと思うよ』



なんだかんだ信頼し合ってるのが伝わってくる。


仲良くていいですね、と

デスクへと戻り、
この後の予定を確認しようと手帳を開くと
手元にかかる大きな影。


振り返る間もなく背中に感じるのは



『仲良いけど、嫌なもんは嫌だよ。
　私以外がきみに触れるなんて‥』



いい年してみっともないね、と
頭上から聞こえる声に


胸の辺り、優しく回された腕にそっと触れた。



「見える所は‥もうダメですからね」

『見えない所ならいいの？』

「いいですよ。だってコレ‥
　首輪の代わり、なんですよね？」



昔、そう言われた時の事を思い出しながら

首だけ動かして夏油さんを見上げた。




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