34・逃れられない ページ34
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ビジネスホテルへ到着し社名を伝える。
“はい、承っております。
五条様で一部屋ですね?”
ゴジョウサマデ、ヒトヘヤ‥??
『え?夏油で二部屋ではないですか?』
“いえ、五条様で、ダブルを一部屋、でご予約頂いておりますよ?”
天使のような笑顔からとんでもない発言を聞かされ頭が回らない。夏油さんが他の部屋は?と聞いてくれているがあいにく満室らしく。
どうしよう、と立ち尽くしていると後ろから他のお客さんもやってきて、オロオロする私をそっちのけで『では、そこでお願いします』とさっさと鍵を受け取った夏油さんに抗議する間もなく、部屋へと連れてこられた。
『大方、総務の方には悟が一人で行くと間違って伝わっていたんだろう、あいつはいつも一人でダブルの部屋を使いたがるしね』
なんでもない風に荷物を置きソファに背を預ける夏油さんの前で、カバンを持ったままの私
「私やっぱり今から他のホテル探してきます」
『え、どうして?』
「どうしてって‥」
『こんな時間に空いてる部屋なんてないよ』
それに、と立ち上がった夏油さんに荷物を奪われぽすん、とソファに座らされる
『今日一日疲れたでしょ?それに聞きたい話もまだあるし?』
イケメンの首コテは反則ではっ?!とうるさい脳内を落ち着けるため、ゆっくりと口を開く
「あ、あの、さっきは勝手な事してすみませんでした、まさか夏油さんにそんな作戦があったとはつゆ知らず‥」
『ふふ、いいよ。あの人は何とかしとくから』
それに、聞きたいのはそっちじゃない
と、横から覗き込む顔はまっすぐ私を捕えた
『どうして、嫌だったの?教えて?言うまで目をそらしちゃダメだよ、A』
「あ‥‥‥あの」
まるで暗示を掛けられたように目線どころか体すら思うように動かせず、真っ白になる頭の中、不意に泳いだ視線に『A?』とたしなめられ、慌てて夏油さんを見る。
ん?と優しく待っている夏油さんは、その答えを知っているかのような余裕っぷりで。
それでも私の口から言わそうとしている辺りがズルい
『ほら、どうしたの』
と顎の下をスリスリされ、恥ずかしくて耳まで沸騰したように熱くなる。状況的にもう耐えられない‥と私は許しを請うように
蚊の鳴くような声で言葉を紡ぎ出した
「嫉妬したんです、めちゃくちゃ。
夏油さんがあの人に触れられたのが
すごく嫌です‥‥」
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時