44日目 ページ44
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夏油は、Aの首筋にほんのり灯る紅い痕をうっとりと見つめる。
身体を預けて、と夏油の胸に体重をかけるよう誘導されると大きな手が頭から肩へ、そして腕へとゆっくり撫で降ろされていく。
『頼ってもらえて嬉しい。私ももっとしてあげるから』
____頑張ろうね。
『この部屋、いい香りだろう?Aが前好きっていった香を焚いたんだ』
顎を持ち上げられ気道が開く。
呼吸を意識することで身体の隅々まで血が巡る感覚がした。
ザラつく指先が首筋を掠め、そのまま胸の間をゆっくり下降していく。まるで見せつけるような行為にAは息を呑んでその手を見つめた。
「…これは、なにをしてるの」
『さぁ、なんだと思う?』
耳の奥で心臓がどくとく脈打つ。
『Aの身体を開放するための体操、かな』
体操にしては変わった動きだな、とAは思った。
自分からは何一つ身体を動かしてないのにこんな体操あるのかという疑問が湧いたが、夏油がしてくれる事はいつも理に適っていることは身をもって理解しているので余計なことは言うまいと口を噤んだ。
それに身体は確実に熱を持ち始めていた事もわかっていた。
夏油の手がAの薄い腹に乗る。
『お腹って意外と冷たいんだよ、女の子は特に温めなきゃいけないのに。触ってごらん』
そう言われ、服の裾からそっと手を差し込む。確かに顔や手に比べてひんやりした腹部に驚く。
「……ほんとだ、つめたい」
『だろう?ここを温めてやると全身に巡る血液も温まるからおすすめだよ』
そう言いながらAの手を追って夏油の大きな手のひらも侵入してきた。
肌に直接置かれた手は熱く、途端に恥ずかしさが襲うのにどうしてか心地よい。
「……ッ」
『擽ったかった?ごめんね』
耳にかかる湿った声にクラリとする。腹を撫で回す手に身体の震えを必死に抑えていると、夏油の指先がパジャマの腰紐に触れた。
あ、と思った瞬間にその手は腰紐をしゅるりと解き、夏油の手がそこへ侵入するのを止める術もなく
わざとらしくショーツのギリギリの部分を撫でられる。
『どうだい?』
「……温かい、けど…少し恥ずかしいよ」
『どうして?』
こんなにもきみの事を思っているのに。
どういう意味?そう聞こうとしたAだったが突然ショーツの表面にまで降りてきた指先。
微睡んでいた身体に訪れた、初めての昂奮だった。
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すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 表情は、意識しすぎるあまり同じ顔になりながら書いていることに最近気づきました。笑 更新を楽しみにしてくれてる人がいることが励みです♡続編も頑張ります〜! (2022年10月19日 19時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» わわわっお返事頂いてるの気付くの遅れてしまったぁぁ…そして続きをありがとうございます!!夏油さんの表情の変化←すみっことかげ様の言葉遣いが上手すぎていつも惹き込まれてます笑 そうしましょう(うん?) (2022年10月19日 17時) (レス) @page49 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 秒レス失礼します!進行形で書いてます。笑 残された夏油くんは今何を思うのか…。わしらモブも木の陰から見守りやしょうぜ(え) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - さ…最終話……??はぅ…寂しい気持ちがありますけど最後まで夏油さんと夢主ちゃんの行く末を見守らせていただきます…!!!(どこから目線…すみません🙇🏻) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» 夢主ちゃんがぎゅっとされてるところを偶然見かけてしまって、見てるのがバレて夏油くんに(この子は私のだよ)って感じで独占欲?剥き出しにされて、ひぇってなるモブになりたいです(え←) (2022年10月11日 9時) (レス) id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2022年7月28日 16時