41日目 ページ41
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匂いがする、なんて嘘。
本当は、夏油にしか見えないように細工した呪霊の残穢がAの上半身に染みついていたのだ。
してくれていたらいいなぁ、と半ば期待を込めて罠を張っておいて良かった、と夏油はにっこり笑った。
きっかけはあの日。
忘れたと思ったジャージを取りに行ったあの朝、誰もいない教室でAが一人、自分のジャージに顔を埋めているのを目撃してしまった。
声をかけるのも
彼女を羞恥の底に突き落として、もう二度と逃げられなくする方法、を。
『ねぇ、A？』
自分がまんまと夏油の策略にハマった事など知らないAがﾋﾟｸﾘと肩を揺らす。
『聞いているんだけど』
「洗濯ッ、して渡そうと思って」
『うん』
「教室。ずっと、忘れてたから、それでッ」
『それで？だからってそんな匂い、つかないと思うんだけど』
意地悪い顔で夏油が聞く。
肩に落ちる髪を退けてやると首元まで朱に染めたAが夏油とシンクの間で行き場をなくして小さくなる。
ここで夏油は追い打ちをかける。
『実はね。あの日の朝、……見てたんだ』
Aがビクッと身体を揺らしたあと、一切の動きがなくなる。呼吸すら止めたようで、部屋には少しの物音もしない。
初心で、なにも知らなかったAが、
夏油の事を友人だと心を許していた彼女が、本能に突き動かされ戸惑いながらも自分を求めたことが堪らなく嬉しい。
まあAはそれどころではないのだろうと、今度はカタカタと震えだした肩に夏油はそっと手を置いた。
『どうして言ってくれなかったの？』
「っごめ、なさ」
『怒ってないから』
「気持ち悪いこと、してっ、私ッ……」
『だーれもいない教室で、ちっちゃな体で私のジャージを一生懸命抱きしめて、幸せそうに匂いを嗅いでた、こと？』
そこまで言うと、とうとうAは泣き出した。
もとより一人では処理しきれない衝動を抱え、背徳感にまみれながら没頭していた行為。Aにはもう限界だった。
ああ、ついに泣かせちゃった
けど、どうしよう、
堪らない
無償に喉が渇く。
夏油は大きく唾を飲み込んだ。
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ｶﾜｲｿｳなAﾁｬﾝだね…♡
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すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 表情は、意識しすぎるあまり同じ顔になりながら書いていることに最近気づきました。笑 更新を楽しみにしてくれてる人がいることが励みです♡続編も頑張ります〜！ (2022年10月19日 19時) (
レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» わわわっお返事頂いてるの気付くの遅れてしまったぁぁ…そして続きをありがとうございます!!夏油さんの表情の変化←すみっことかげ様の言葉遣いが上手すぎていつも惹き込まれてます笑 そうしましょう(うん？) (2022年10月19日 17時) (レス) @page49 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 秒レス失礼します！進行形で書いてます。笑 残された夏油くんは今何を思うのか…。わしらモブも木の陰から見守りやしょうぜ(え) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - さ…最終話……??はぅ…寂しい気持ちがありますけど最後まで夏油さんと夢主ちゃんの行く末を見守らせていただきます…!!!(どこから目線…すみません🙇🏻) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» 夢主ちゃんがぎゅっとされてるところを偶然見かけてしまって、見てるのがバレて夏油くんに(この子は私のだよ)って感じで独占欲？剥き出しにされて、ひぇってなるモブになりたいです(え←) (2022年10月11日 9時) (レス) id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみっことかげ
| 作成日時：2022年7月28日 16時
