15日目 ページ15
.
＿＿夕暮れ時
車から、七海に抱えられて出てきたA。
夏油は近づき声をかける。
『七海、悪かったね。変わるよ』
『？…いえ、別に』
急に現れた夏油に七海はぎょっとする。そして何かを感じ取ったか、七海はじとりと夏油を睨んだ。
『あなた、もしかして』
『悪いけど話はまた今度でいい？硝子に早く連れてくるように言われてるんだ』
『……そういうことでしたら』
七海は何かを言いかけて、閉口する。今ここでなにを言ったって目の前の男が真っ当に取り合うわけない事がわかったから。
眠ったままのAを夏油へと渡す。
『お願いします』
『七海も任務、ご苦労さま』
『いえ、今回はほぼAさん一人で祓われましたので』
七海は立ち去ろうとした足を止めて振り返る。
『Aさん、うなされながら夏油さんの名前を呼んでいましたが、……目の下の隈と何か関係がありますか？』
『ははっ、鋭いねぇ。と、言いたいところだけど』
『残念ながら、無関係だよ』
薄ら笑う口元とは裏腹に、一片の光も宿さない瞳で見つめられた七海はぐ、と喉を詰まらす。言葉ではそう言ってはいるものの、隠しもしない執着心を見た気がした七海は小さく頭を下げ、面倒事は御免だと静かにその場を後にした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 表情は、意識しすぎるあまり同じ顔になりながら書いていることに最近気づきました。笑 更新を楽しみにしてくれてる人がいることが励みです♡続編も頑張ります〜！ (2022年10月19日 19時) (
レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» わわわっお返事頂いてるの気付くの遅れてしまったぁぁ…そして続きをありがとうございます!!夏油さんの表情の変化←すみっことかげ様の言葉遣いが上手すぎていつも惹き込まれてます笑 そうしましょう(うん？) (2022年10月19日 17時) (レス) @page49 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - ココナッツさん» 秒レス失礼します！進行形で書いてます。笑 残された夏油くんは今何を思うのか…。わしらモブも木の陰から見守りやしょうぜ(え) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - さ…最終話……??はぅ…寂しい気持ちがありますけど最後まで夏油さんと夢主ちゃんの行く末を見守らせていただきます…!!!(どこから目線…すみません🙇🏻) (2022年10月18日 12時) (レス) @page48 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - すみっことかげさん» 夢主ちゃんがぎゅっとされてるところを偶然見かけてしまって、見てるのがバレて夏油くんに(この子は私のだよ)って感じで独占欲？剥き出しにされて、ひぇってなるモブになりたいです(え←) (2022年10月11日 9時) (レス) id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみっことかげ
| 作成日時：2022年7月28日 16時
