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第35話 ページ37

私は奴の手が私の背に触れる寸前、

勢いを殺さずに飛び上がり門の上へと着地した。


「…へぇ。面白ェ」


然程驚いてないソイツだが、

勢いは止められないようでそのまま直進していた。


私は奴の背中へと隠し持っていた短刀を

持っていこうとする。


『!…マジか』


相手の力を見誤っていたようだ。


ソイツはクルリと身体を反転させると刀で

私の短刀を受け止めた。


背を見せたのは恐らくフェイクだろう。


「あらら、公務執行妨害。罪増えやしたよ」


『違うんですよーおまわりさん。

これは短刀が勝手にやったんですー』


「そらァ珍しいこともあるもんだ。

本官が没収するんで動かねェでくだせェ」


そんなことを言いながら明らかに私を狙って

刀を振ってくるが、勿論当たったら痛いんで

もう一本短刀を出して止める。


『もー危ないじゃないですか。

警官が市民に手を上げていいんですかー』


「違いやす。刀が勝手にやったんでさァ」


軽口を叩きながらもお互いの手は緩めない。


短刀二本でやっとついていけるほどのお手前に

少々驚きながらも策を練っていた。



…なかなか得物の距離を気にしてか、

短刀の範囲に入ってこないな。


“真っ当にやりあって”1ミリも勝てる気がしない。



そうこう言っている間にあと一歩、

後ろに下がれば川へ落ちるというほどの場に

追い込まれてしまった。


もしかしてピンチ?

だなんて他人事のように考えて。



キィン

『ありゃ、やばいな』


弾かれた両手の短刀。


「しめェだな」


グッと近づく距離。

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作者名:天。空 | 作成日時:2019年3月17日 19時

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