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第27話 ページ29

『しょうがないですね…コレあげますよ』


そう言って私が渡したのは偶々持っていた

パックの牛乳。


パッケージには“うれしいカルシウム2倍!”と

書いてある。


「おい…お願いだから斬らせてくんない?

ちょびっとで良いから…

頸動脈ちょびっと切るだけだから…!」


『頸動脈は生死を司ってるんで切ったら

死んじゃうんですよ…?

あ!あなたは頭逝かれてるから知らないのか。

良かったですね、また一つ勉強になって〜』


震えてる、なんか凄い震えてるんだけど

大丈夫かなあの人。


道端に居たら親に「見ちゃいけません!!」

て言われるレベルの震え方してる。


「テメェェェ!!!!!!」


『今ですよ!カルシウム摂取の時間です!』


すると騒ぎを聞きつけてきたのかゴリさんと

鈴木さんが焦ってこちらへやってきた。


「トシィ!そんなに叫んでどうしたんだ!」


「なにごとなの!?Aちゃん!」


『あ、鈴木さん。

実は今ヤクザに殺されかけてました』


「Aちゃん…まだギター挟んでたのね…」


おっしゃる通りです。


ゴリラには周りで抑えていた隊士が状況を

説明していた。


「そんなことが…すまなかったAちゃん。

トシがこんな怒鳴り散らしちまって」


「なっ…!近藤さん俺は…」


『いえ、私は大丈夫ですから』


猫を被った私を凝視してくるヤクザに

ニコッと営業スマイルをおくってあげる。


…ゴリラに下手なことをしたらまずい。

局長だからなんてくだらない理由じゃなくて

妙ちゃんと繋がっているためチクられたら

ヤバイ。即グッバイだろう。


「ほら、トシも謝れ」と促しているが、

当の本人はこちらを睨み続けている。

目で人を殺せそうだ。


「ンで俺がコイツに

謝んなきゃならねェんだ」



「なにやってんですかィ土方さん。

早く謝りなせェ」


声の方へと振り返ると、忘れもしない顔が

現れた。思わず一瞬顔を顰めてしまう。


『(間違いねェ)』


あのベビーフェイス野郎だった。


“お前がベビーフェイスって言うなよ〜”とか

思った方、ちょっと一発殴らせていただけます?

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作者名:天。空 | 作成日時:2019年3月17日 19時

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