第24話 ページ26
Aside
…結局一睡も出来なかった。
酒入れば寝れるという私の考えは甘かったようだ。
「あ、Aさんお早う御座います。
朝ごはんできてますよ」
主夫だ。主夫がいた。
料理をしないのもあってレトルト生活だった
私にとってこれほど嬉しいことがあるだろうか。
『新八…今まで只のメガネだとか思っててごめん』
「アンタそんなこと思ってたんですか」
「早く食べて下さい」と、言いながらも
ご飯をよそってくれる新八は輝いて見える。
「ほら、姉上も」
「…ええ」
なにやら妙ちゃんは元気がないようだが、
思い当たる節は無きにしも非ずで。
…え?無きにしも非ずの意味?
もちろん知らないけど。
言いたかっただけだけど。
『何かあった?』
覗き込んでみても笑顔で誤魔化されるだけ
だった。
「…それよりAちゃん、
今日が初勤務になるじゃない。準備しないと」
『え"、なにそれ初耳…』
「頑張ってくださいね…猫被って(ボソッ」
『(聞こえてんぞメガネコラ)』
「ぼ、ぼくもう行かないと」
急いでメガネが逃げてった。
それにしても初勤務だなんて不安しかないが
眼鏡の言う通り猫被って頑張るか…。
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Aside
『今日から皆さんと一緒に働くことに
なりました。京 A です。
至らない点もありますがよろしくお願いします』
ニコッ、と笑顔を貼り付けるが表情筋が
攣りそうだ。
パチパチパチ
女中さんたちは笑顔で拍手してくれた。
…良かった、良い人そう。
「こちらこそよろしくね。
Aちゃんは料理とかどれぐらいできる?」
『…人生で一度も包丁を握ったことないんで
分かんないですね』
周りが静まりかえるが、私そんなまずいこと
言ったかな?
「ま、まあまだ若いからしょうがないよね」
『私もう二十歳ですけど』
あ、完璧に静まりかえった。やばいやばい。
なんとかこの状況を打破しないと。
『で、でも私やれば出来る子なんですよ。
一回やってみたらコツ掴んで出来ますって』
「そ、そうよね。二十歳でもまだ若いから
吸収が早いものね」
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作者名:天。空 | 作成日時:2019年3月17日 19時