見なかった? ページ32
『ッッ!…はぁっ…はあ…』
何…今の……夢、だよね?
汗が滝のように流れる。震えが止まらない。どうしよう。
あぁ、もう高専を出る時間だ…
1人で過呼吸になっていると、私が中々部屋から出てこないからか、廊下で待機していた野薔薇ちゃんが部屋の扉を開け、時計を見ながら言った
「A、アンタ任務行くの分かってる?準備くらいさっさと_」
『……はぁっ、はぁ…』
「っ、Aっ!?」
私へと視線を移した途端、
青ざめた表情で駆けつけてきてくれる野薔薇ちゃん。
私の顔を覗き込んで言った。
「アンタ顔色すごいわよ!?汗も…!」
今、私はどんな顔をしているだろうか
でも、今はそんなことも気にならないくらい体調が悪い
「っ、今すぐあのバカ共を呼んでくるわ!1歩でもそこから動くと呪うからっ!!」
野薔薇ちゃんは…本気で呪ってきそうだなぁ…と力のない乾いた笑いを零す。
『…っはぁ、』
さっきよりは落ち着いた…と思うけど…
大きな足音が聞こえ、扉の向こうの廊下に目をやる。
「Aっ!!」
お兄ちゃん…。その後に続いて悠仁と恵が来てくれた。
「大丈夫か?オマエ、顔色やべぇぞ…!」
「釘崎!家入さんは!?」
「…あ゛」
「おまっ…先に家入さんを呼ぶだろーが!絶妙に頭が回らねぇやつだな!」
「うっさいわね!!早く呼びに行くわよ!」
「俺が行った方が早ぇ!」
そう言って、硝子ちゃんを呼びにまた廊下を走り出す3人。
「A…」
1人になったお兄ちゃんの長い手が頬に触れそうになる
『…いやっ!』
「!」
反射でバシッ!とその手を振り払ってしまう。
『…っ!ごっ、ごめんなさ…』
「A…」
兄はゆっくりと近づいてくる
『来ないで!私は、貴方をみごろ…しに…』
私の言葉を聞いて、目を見開くお兄ちゃん
そして…
「そっか」
とだけ呟いた。
「A…大丈夫。大丈夫だよ」
『…何が?』
「…Aは思い出しちゃったんだよ。
あの頃の【記憶】を」
あまり思い出して欲しくなかったんだけどな…と
あと10センチもないくらいの距離でそう呟いた
「夢で何か見たんでしょ?」
『…』
「術式はもう見た?」
『!!』
「フッ…見たんだね」
分かりやすい。と微笑みながら目隠しを外して、ポケットから取り出した、丸いサングラスを代わりにかけて言った
「こんな人は…夢に " いなかった "?」
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩( ᐛ )و (7月8日 15時) (レス) @page33 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 絵がうますぎます! (6月8日 6時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
松野星月(プロフ) - 続き楽しみ!早くみたい (2022年12月30日 12時) (レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最後不意打ちでナナミンの「シスコンはクソだ…」にまじで吹いてしまいましたwww笑いを提供してくれてありがとうございます! (2021年12月28日 22時) (レス) @page48 id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - ariaさん» 笑ってもらえて良かったです!笑笑 (2021年4月7日 22時) (レス) id: 6023f727dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saya20071025 | 作成日時:2021年1月21日 20時