好きって、言うため。

　to . 05　 ページ5

◎







　




　 ________







　


　 今日は誰かが迎えに来てることもなく、

　 ひとりでぼーっとしながら登校した。








　 「 ...あのさ 」




　 『 ん？ 』




　 「 違わなかったよ 」




　 『 え？ 何が？ 』




　 「 ...... 」








　 おはようの挨拶の次に友達に言った言葉。



　 私、昨日告白された。

　 もちろん、あんまり眠れていない。








　 『 よくわかんないけど、元気出しな。』




　 「 だよね、喜ぶべきだよね... 」



　 『 うんうん。知らんけど。』








　 佐藤勝利くん、って。



　 その名前を知らない人は、

　 少なくともこの学年にはいなくて。



　 だってかっこいいもん。

　 ずっと一緒だけど、ずっとかっこいいもん。



　 悔しいくらいに。








　 「 ...ああ！！ 」




　 『 何！？ 』




　 「 なんか腹立ってきた！ 」




　 『 この子情緒やばい！ 』








　 顔も良くて性格も普通に優しくてでもいじわるで、

　 ってなんなん！！



　 モテ男かお前は！！！！！








　 「 ねえモテ男ってさ！ 」




　 『 うん？ 』




　 「 好きでもない子に好きって言ったりするよね！？ 」




　 『 人によると思うけど... 』








　 あ、それもそうだね、


　 モテ男のみなさん、すみません。








　 「 そっか。人によるのか。すまん。」




　 『 好きって言われたの？ モテ男に。』








　 こいつ何気に鋭い。








　 「 ...あ、私じゃない、よ 」




　 『 そうなの？ 』




　 「 そう、友達が！ 」




　 『 ふぅーん。』








　 バレたかもしれない。ドキドキ。







　


　

　to . 06　→←　to . 04　

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す