次の一歩 ページ13
「確か向こうじゃ、近接の所属だったよな」
「は、はい！」
「……A、どう思う？」
アバルトは隣のAに目配せをする。Aは兵士の体をよく見た。
筋肉量、体格、利き手、脚の太さ大きさ、腕の長さ……見れる限りの情報を入れる。
少し悩んだ末、Aは兵士に質問をする。
「自分、物投げるのは得意？」
「物の大きさにもよりますが、それなりには」
「あともう一つ。長く待てるか？」
「待つことは……苦手です」
「レーデさん、中距離第一部隊がええんちゃうか。あそこなら近接もそれなりにやるし」
「アァ、そうだな」
Aは棚にあった書類の中から一枚を取り出し、アバルトの座る机の上に置いた。
「近距離でもええけど、身体的適正としては中距離って感じ。こればっかは本人の意向次第やけどな。やる気がないところにいても成長はしないからな」
「ってわけだが……どっちがいい？」
「えっ」
兵士抜きで話が進み、再び彼は混乱していた。
てっきり解雇か雑用になるとばかり。それほどのことをしたと彼は思っていた。
「俺……ここにいて、いいんですか……？」
思わずそう問えば、二人は目を丸くして兵士を見た。
そしてその問いの意味を理解したのか、声を出して笑った。
「いくら向こうで働いてたからって、俺の国の兵であることに変わりはない。軍人でいる覚悟があるのなら、またここで一緒に歩むといい」
「無理強いはせんよ。静かな暮らしがしたいんだったら、この国での暮らしを支援したる」
「ありが、とう……ございます……！ここでまた、中距離部隊で頑張らさせてください……！！」
「わかった、手続きをしておこう。そうだな……あとは少佐に頼むか」
「あの人近距離やけど……。まあ部屋とかもあるやろうし、少佐でええか」
訓練中の少佐に連絡を入れれば、快く了承してくれた。
こちらにすぐ向かうとの旨を兵士に伝え、外で待っておくよう指示をした。
兵士は鼻をすすりながら敬礼をし、踵を返した。
ドアノブを握り、部屋を出るその直前。
「ああそうだ。一つ言い忘れていた」
「はい……なんでしょう？」
兵士は手を離して振り返る。
そして彼は驚いた。
二人とも先程とは違う真剣な目で彼を見ていた。
何かしてしまったかと不安になるが、怒られるような雰囲気でもなかった。
「後悔しているか？」
「え、な……にを」
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雲英(プロフ) - ロクロさん» 勉学は苦手ですが、表現や言葉選びなどを褒めていただけるのは本当に嬉しいです。ありがとうございますXD (2022年1月30日 16時) (
レス) id: 18a835abc9 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - おもしろいです。見させてもらってます。落ち着いた表現や言葉の選び方なので主さんの頭の良さが伺える…これからも頑張ってください、応援しています。 (2022年1月27日 18時) (レス) @page10 id: 65d7101284 (このIDを非表示/違反報告)
雲英(プロフ) - 脅威のセラフ@wrwrdファンさん» 前作からありがとうございます、そう言っていただけて嬉しい限りです:D 遅くなってしまいましたが受験頑張ってください、応援しています。 (2022年1月18日 22時) (レス) id: 18a835abc9 (このIDを非表示/違反報告)
雲英(プロフ) - きなこんこんさん» ありがとうございます、そのお気持ちが嬉しいですし励みになります:) (2022年1月18日 21時) (レス) @page7 id: 18a835abc9 (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ@wrwrdファン(プロフ) - キャー！妹の方です！ファンです！受験が終わったら馬鹿姉貴にも紹介します！大好きです！ああもう！ホントに大好きです!!!!!前作も勿論読破させていただきました！これからも応援しています！頑張ってください！ (2021年12月12日 16時) (レス) @page5 id: 602d714d2e (このIDを非表示/違反報告)
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