【実況者】その夢は醒めないままで【ky】 (ページ21)

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episode19. --ky said-- ページ21

「ガッチさん」

「キヨ？どしたの珍しいねぇ」

「……ごめん、やったわ」

「？どゆこと？」

SNSのアカウントが燃えているのを見た俺の頭に、最初に過ぎったのはガッチさんの顔だった。

だって、知り合いっぽかったし。

「えっ！？撮られたぁ！？」

「……うん」

「まってまって、キヨのアカウントどこだ？」

しばらくの沈黙の後、電話口から聞こえた声は、呆れたような声だった。

「あー、元はこれねぇー」

実際に燃えているのは、俺のファンのアカウントだけど、そこから飛び火しているのは確かで。

「これ、もしかしてAちゃん！？」

「……だから電話したんじゃん」

「えー！なになに？ 2人知り合いだったのー！？」

「いや、まあ、この間居酒屋で、少しだけ話しただけだけど……」

「え？あの時！？喋ってたっけ！？」

俺と一緒に写っているのが知り合いだと気づいた瞬間、謎にテンションの上がるガッチさん。

恋バナしてる女よりうるさい。

「……てか、よく分かったね、この写真で」

「顔は見えてないけど、わかる人は分かるんじゃない？俺と働いてた頃から普段の服装変わってないし、てか俺この日会ってるしぃ〜」

「えっ！？」

「とらちんと買い物行ったんだけどね、近くのカフェでたまたま、ね」

「……ふぅん」

俺の声が少し低くなった。それだけで、まるでなんでも分かっているようにガッチさんは言った。

「……いっそほんとに付き合っちゃえば？」