episode18. ページ20
その日家に帰ると、スマホに通知が来た。
キヨの動画投稿の告知ツイートだったけど、いつもの一言のところはどうも不安になった。
『撮られちゃった』
これは多分、私との写真の事だろうけど、まさかこの一言で済ますつもりなのかな。
無理だろ。大丈夫なのかこれ。
そう思って、下へとスクロールしていく。以外にもそのツイートのリプ欄は平和だった。
開き直った！
あれは彼女？
ついに彼女できた？
おめでとうございます。
そんなコメントが多くて、彼女でもない私は、何故か罪悪感に苛まれる。
推しと友達になれて浮かれていた数十時間前の自分をぶん殴りたい。
……でも。
あの時、連絡先交換しといてよかった。
なんて思うのはダメかな。
「……へ？」
「だからぁ、あんた結局どうすんの？」
次の日の昼休み。あかねと社食でランチをしていた時だった。
「キヨさん、まふくんのお友達だから信用したいけど、なんかこう、上手く行きすぎじゃない？」
「どゆこと？」
「撮られたのはわざとじゃないのって話」
「そんな事する理由なくない？」
「……あるでしょ」
あかねは、キヨが私を使って話題作りをしただの、私に近づきたかっただの、オタクにそんな事言うかってくらいの憶測を並べ始めた。
「……ありえない」
「いや、わかんないっしょ、そんなの」
「ありえないよ！！！ 既に超有名大物配信者なんだよ！？ 話題作りとか今更だし、そもそも私なんかになびくような人じゃねぇもん！！ 好みのタイプ女優さんなんだよ！？」
「……言ってて悲しくならないのあんた」
「なった……」
まあ確かに、ちょっと出来すぎなとこはあるけどさ。
そういう時だってあるし、推しを疑うなんてしたくないし。
そんな訳、あるわけないよね……？
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作者名：咲希さん | 作成日時：2020年12月22日 15時
