龍さんの彼女さんは…

骨「6話さ」 ページ7

Aside
「？そうなんですか？」

龍「どうだろうね、

あぁ、夕士君、慣れないうちは大変だけど、すぐになんてことなくなるよ。当たり前の存在だからね。ここではよく見えるだけで、ね」

夕「当たり前の存在……」(当たり前の存在……。ここではよく見えるだけ……。)

夕「霊能力者ってことは、霊についてのエキスパートってことなんスか」

龍「！…何か質問があるのかい？」

夕「このアパートには、どうしてこんなにオバケが集まってるのかなって思って」

龍「彼らにとっちゃ、ここは砂漠のオアシスなのさ」

夕「オアシス？オバケの？」

龍「昔は緑と土と水が豊かで、人間の心も豊かで、暗闇がたくさんあって、オバケたちも暮らしていたと思うよ。
でも、今の世の中には自然がない。暗闇もない。人間たちは心を閉ざしてしまっている。
オバケたちは追いやられているんだ」

夕「昔は、世の中全体がこのアパートみたいだったと？」

「……そう

昔は皆、仲が良かった

人間も、オバケも、

……仲間も

“合理性”、“便利性”を優先させるために人間は一方的に切り捨ててしまった……」

夕「？Aさん…？」

龍「A」

「あっ、龍さん、大丈夫、大丈夫です！」(ﾆｺｯ

龍「ああ」

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