57話 ページ9
「凄い…凄いぜ虎丸!!!」
試合終了直前、虎丸の放ったシュートは砂の壁に穴を空け勢いよくゴールネットに突き刺さった。まさかこれほどまでとは、と驚きながらも大半が嬉しそうに表情を晴れさせる。
「良かったね虎丸…こんな素敵な仲間に出会えて…」
楽しそうにプレーする虎丸の姿を見ることができ、たえは思わず涙ぐむ。その瞬間試合終了のホイッスルが鳴り響き、本日最高の大歓声が湧き起こった。
「よっしやったぜ!!飛鷹も、よくやってくれたな!」
「…なんのことですか?」
安堵の息をついていた飛鷹の背中をとんと叩き讃えた円堂。素知らぬふりをする飛鷹に笑いかけると虎丸のもとに駆けていく。遠ざかるその背中を、飛鷹は誰にも気付かれないよう静かに見つめていた。
「勝ったんですね…俺たちが…!」
「あれがお前の本気か?俺たちに着いてくるにはまだまだ時間がかかりそうだな、虎丸」
電光掲示板を見上げながら感慨深げに呟いた虎丸に、豪炎寺が背後から声をかける。振り向いた虎丸の表情は晴れやかで、雰囲気もどことなく明るくなっている気がした。
「でも俺…まだ本気出してませんから、センパイ!」
「こいつ…!」
「さあ!次の試合も勝ちますよ!アジア予選くらいで立ち止まってられませんからねー!!」
好戦的でいて挑発的な態度に豪炎寺は口角を上げた。「なんか性格変わってないか」『これが本来の虎丸君なのかな』「ああ、そうだろうな」思わず顔を見合わせた鬼道と水城が言葉を交わす。
「いいじゃないか!俺は大歓迎だぜ!!」
「でもなんでこんな凄い奴が、フットボールフロンティアに出てこなかったんスかね?」
「出られないんですよ」
壁山が疑問を口に出すと虎丸が再び振り向いて答える。なんで??と鬼道と豪炎寺の肩に手を置きながら円堂が尋ねた。
「だって俺、まだ小6ですから!」
照れ笑いを浮かべながらそう言った虎丸に、一拍置いた後全員の驚きの声が重なった。FFは中学生の全国大会。だがFFIは各国の事情を考慮し15歳以下なら誰でも参加できるのだそうだ。
「小学生だったのか、お前…」
「だからって甘く見てたらエースの座はいただきますよ。いつか俺、豪炎寺さんを越えてみせますからね!」
「頼もしい仲間が加わったな、豪炎寺!」
「ああ、そうだな!」
予想以上に良かった彼らの驚いた反応。虎丸はウインクすると、ぺろりと舌を出して笑ったのだった。
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bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからまた読み直そうと思います！ご自身のペースで更新してくださると嬉しいです(◍•ᴗ•◍) (12月28日 21時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とても面白かっです！！続きが気になりすぎて夜しか眠れません。更新よろしくお願いします (12月15日 18時) (レス) id: 51c9a307dd (このIDを非表示/違反報告)
サカナ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！思わず一気見しちゃいました笑更新楽しみにしてます！ (10月29日 22時) (レス) @page29 id: ff0b9e3173 (このIDを非表示/違反報告)
テオ - とても面白かったです！続きが気になります！！また書いてくれるのを楽しみにまっています！ (8月31日 9時) (レス) @page29 id: 715df6a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - またまた戻って来てしまいました……！イナズマイレブン熱はいつになっても冷めないようです笑何度読んでも面白くて最高です！ (8月21日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不二市
| 作成日時：2019年1月7日 3時
