【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ49)

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194話ページ49

「いけ!」

「鬼道!!」

リカからボールを奪い、辺見と寺門がボールを蹴り上げ声を飛ばした。それを受けながら3人は飛び上がり、回転しながら三角形を描いていく。

「まだ…まだだ…!」

鬼道が回りながら言う。滞空時間が今までより長く、タイミングも合っていないことがベンチからでも分かる。「どういうつもりだ鬼道…!?」佐久間が訝しげに呟いた。

「……今だ!!」

「「「デスゾーン!!」」」

タイミングが合っていないまま鬼道が合図を出し3人同時に蹴り込んだ。ゴールに真っ直ぐと向かうそのシュートは紫のエネルギーが途中で消えることもなく、むしろ増大したように見える。目を見開いた立向居。技を出す暇もなく、デスゾーンはゴールに突き刺さった。

「やった…!」

「鬼道!!」

「ああ…デスゾーンの完成だ!!」

秋と春奈が手を取り合い喜んだ。着地した3人に駆け寄っていく雷門イレブン。「でも、どうしてできたんだ?」発動者の一人であるのにも関わらずよく分かっていない様子の円堂が鬼道に尋ねる。

「タイミングだ。帝国と雷門は違うチーム。雷門には、雷門のタイミングがある!」

「そうか!俺たち3人のタイミングで打ったからできたのか!!」

「ああ。…成功したのは、皆のおかげだ」

鬼道が帝国イレブンの方を振り返り礼を言う。一番近くにいた源田は微笑みを返した。

「いや、お前たちの努力の成果だ。それに、これで終わりじゃないんだろ?」

ベンチから立ち上がり言う佐久間。その表情はデスゾーンの完成を心から祝福しているように見えた。そして佐久間の言葉に円堂が鬼道を見てまた尋ねる。

「デスゾーンを超える必殺技の特訓だ…!」

鬼道はそう言い、不敵に笑った。

「どうだ、大暴れしてみる気はないか?」

「私と組もうと言うのか」

その同時刻。とある部屋で、それぞれ赤と青のスポットライトに照らされながらバーンとガゼルが対峙していた。

「そんな甘っちょろいもんじゃねえ。2人であのグランに思い知らせてやるんだよ。上には上がいるってことをな…!」

「…面白い。その話、乗せてもらおう」

「グランを倒し、ジェネシスの称号を奪い取ってやる…!」

「そして、ジェネシス計画に相応しいのは誰かということをあのお方に示すのだ…!」

2人は手を取り合った。共通の敵を倒し、そして最強の座を手にするために。

「「ネオジェネシス計画を、ここに発動する!!」」

スポットライトの色が、交わった。