188話 ページ43
『塔子ちゃん塔子ちゃん、ザ･タワーってどうやって発動させてるの?』
「え?なんだろう、塔出てこいーみたいな。あと雷落ちろーって」
『へえー。壁山君は?』
「俺も壁出てこいーみたいな感じっス!」
『そんな感じで出てくるんだね?』
まず近くにいた塔子と壁山にアドバイスを求めた水城。返ってきた答えはどちらも漠然としていて思わず豪炎寺と顔を見合わせた。あいにくディフェンス陣には教えるのには向かないタイプの感覚派しかいなかったらしい。先は長そうである。
「3、2、1、ストップ!!」
「っこれでどうだ!」
所変わりデスゾーン組の方は、最初はボールと正反対を向いていた円堂も辛うじて正面に捉えられるようになった。「やってるな鬼道」鬼道が苦笑いで円堂におまけの合格を付けた、その直後に声がかけられる。
「来てくれたか佐久間、源田、皆!」
右側に松葉杖をついた佐久間と、もう万全らしい源田、そして帝国イレブンがそこにいた。鬼道が駆け寄るとそれに円堂も続く。
「鬼道、皆を呼んでたのか?」
「ああ。…心配するな、これでも順調に回復してるんだ」
円堂が尋ねると佐久間が返す。鬼道が険しい表情で自身の右足を見ていることに気付き、そう言って安心させるように笑った佐久間。源田曰く、瞳子が紹介してくれた最新医療が効いているそうだ。そんな初耳の情報に雷門イレブンは驚くがすぐに安堵の息をついた。
「!世宇子のアフロディ…。話は鬼道から聞いた。お前も俺たちと同じように、影山に利用されていただけだと。…鬼道や円堂たちを、よろしく頼む」
佐久間がアフロディにそう言うとアフロディは静かに、深く頷く。そこにはかつての敵意も
「さあ鬼道。始めようか、練習試合」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月23日 23時
