【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ34)

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179話ページ34

「リベロの円堂か。面白いじゃないか」

「キャプテンがリベロに…!!」

円堂の決断にそれぞれ反応する雷門イレブン。壁山は驚きで震えスタジアム内のトイレに走っていった。

「で、キャプテンがリベロやって、誰がゴールを守るのさ?」

「立向居がいる!」

「俺が…ですか?」

壁山を見送ってから木暮が尋ねると円堂は即答する。まさか自分の名前を呼ばれるとは思わず立向居はびくっと肩を振るわせた。

「そんな簡単に決めちゃっていいわけ…?」

「そうですよ!失礼ながら立向居君はキーパーとしての経験が浅いと思いますが…」

「大丈夫だ!俺さ上手く言えないけど、立向居からは可能性を感じるんだ!なんかもの凄い奴になる、そんな気がするんだよな!!こいつに任せておけば大丈夫だって、思うんだ」

塔子と目金が言うと円堂は立向居を見ながら返す。立向居は経験が浅いとはいえゴッドハンドとマジン･ザ･ハンドを習得している。可能性としては十分なのではないだろうか。

「でも俺…俺が、雷門のゴールを守るんですか…?」不安げに言う立向居に瞳子が直々に頼み、任せる。他に今から急にキーパーに転向できる選手は立向居以外にいない。円堂の後継者として相応しいと鬼道が言う。

「なっ!俺たちのゴールを守ってくれ!!」

「!っはい!やります!!」

円堂の後継者として雷門のゴールを守ることを決意した立向居。瞳子と円堂に礼を言って、緊張しながらもこれからの気合を示した。超攻撃型雷門の誕生である。

『キャプテンがリベロか…。あれ、じゃあキャプテンのキーパー姿は今日が最後だったのか』

「そうだな。これから俺たちと同じフィールドプレーヤーのユニフォームを着るんだ」

「違和感しかないね」

『慣れるのに時間がかかりそうだ』

窓から豪炎寺、水城、吹雪と並んだ座席での会話。最初から今までキーパーのユニフォームだった円堂。色も袖の長さも違うそれはどこか特別で、ある意味円堂を象徴していたものでもあった。

「皆、明日からは新しい体制で練習よ」

「「「「おおおっ!!」」」」

「よおし、それじゃあ皆うちに来い!!皆まとめて泊まってくれ!!」

ブルーシートに覆われた校舎の見える、雷門中の校門前に停車したイナズマキャラバン。今日はここで解散のようだ。円堂が後ろを振り返り言うと全員が一番後ろの座席から鞄を取り、キャラバンを降りる準備をし始めた。