【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ26)

今日:61 hit、昨日:13 hit、合計:323,070 hit

171話ページ26

「旋風陣!!」

リオーネからのスローイン。鬼道が前に出ようとしたところをブロウが押さえボールはバレンへ。木暮が必殺技を繰り出しボールを奪った。そのタイミングでアフロディが上がっていき「こっちだ!」と声をかける。しかし「信じていいのかよ…」と木暮は逡巡し、その間にブロウにボールを奪われてしまった。

「惜しい!これはタイミングが合わなかったか!?」

角馬はそう言うが、タイミングの問題だけではないだろう。サッカーは11人でプレーするものだ。絆や信頼が大きいほど連携が上手くいき、またその逆も然り。世宇子中のドーピング問題は大会後に大きくメディアに取り上げられた。それを木暮も見たから、まだ信じることができなかった。

「壁山、アフロディがフリーだ!」

「え、でも…」

「パスするんだ!」

ザ･ウォールでブロウからボールを奪った壁山。即座に鬼道から指示が飛んでくるが、やはり逡巡する。壁山に至っては世宇子中に実際に苦しめられた一人だ。元々の臆病な性格も相俟って、そんなすぐに信じられるわけがなかった。

「残念これも合わなかった!やはりまだリズムが掴めていないのか!?」

だが鬼道の指示だ。どこかぎこちない動きでアフロディにボールを送るが、それはアフロディの前を通過してサイドラインを越えた。これは加入したばかりのアフロディの問題ではない、雷門の心情の問題だ。

「フレイムダンス!」

一之瀬がリオーネからボールを奪う。そして前線を見ると豪炎寺には2人マークが付いており、アフロディには1人。「豪炎寺!」普通ならばここはアフロディに送る場面なのだが、一之瀬は豪炎寺にボールを送った。

「どうしてマークの厳しい豪炎寺さんに…」

「まだ信じきれていないんだわ…」

春奈と秋がこぼす。なんとか豪炎寺はボールを受け取ったものの2人のマークを振り切れない。少し進んだところでアイシーにタイミングを合わせて蹴り込まれガゼルに送られた。完璧なカウンターに雷門は反応できない。

「私を止められるのかな?」

「舐めんな!」

綱海が奪いにいくもフェイントで躱(かわ)され、残るは円堂だけとなってしまう。そしてガゼルにシュートを打ち込まれるも、円堂は横っ飛びでセーブした。

「やるじゃないか。だが、チームは噛み合ってないようだ。崩すのは容易いな」

ガゼルは円堂に背を向けそう言った。