144話 ページ47
「宇宙人か、おもしれえ…。うしっ!俺も力を貸すぜ!あんな宇宙人どもにでかい顔させとくわけにはいかねえ!!」
「いいわ。貴方の才能を見込んで、イナズマキャラバンに誘おうと思っていたの」
このタイミングで綱海のイナズマキャラバンへの参加が決まる。綱海はばっと大海原のユニフォームを脱ぐと瞬く間に雷門のユニフォームに着替えた。
「今日こそあいつらとの決着をつけるんだ!」
「「「「おおっ!!」」」」
最終決戦ではないものの、この試合に勝つことができればパワーアップもでき、それぞれの自信に繋がる。そしてそのかけ声には参加せず、ただイプシロン改を見つめる吹雪。もしかしてこれは、と水城が近付いた。
「これから始まるのは奴らが壊れるか我々が壊れるかの真剣勝負。試合が終わったときグラウンドに立っているのは、我々イプシロン改だ!」
「ではデザーム様、前半から…」
「いや、まずはあいつだ。どれほどレベルが上がっているか…」
ナニワランド地下での試合にて自身のワームホールを打ち破ったことで、漫遊寺での3分間の試合のときよりも吹雪を気に入っているデザーム。口角を上げて、じっとこちらを見つめる吹雪に顔を向けた。
『吹雪君』
「!どうしたの?一青ちゃん。前みたいに士郎君って呼んでくれていいのに」
『…だって、今の吹雪君は士郎君じゃないもの』
雷門の輪から外れて小声で吹雪に話しかけた水城。陽花戸中を去るときから違和感は覚えていたが、デザームを鋭い目付きで睨んでいたことで、今までの吹雪が士郎のふりをしたアツヤだったということを確信した。吹雪が笑顔を消し「…いつから気付いていた?」『今確信したんだよ』そう会話を続ける。
「…そうかよ。おい水城、俺の邪魔するんじゃねえぞ」
『邪魔するわけないよ。それでも、無茶はしないでね。士郎君も、アツヤ君も』
吹雪の中にいるアツヤは、結局は士郎の作り出したただの人格。本物のアツヤではないのだ。それでも士郎がその人格に
『仲間が周りに10人もいるんだから、頼ってよ』
「…んなことは俺が決める」
『…そっか。うん、頑張ろうね吹雪君』
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月9日 0時
