【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ23)

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23話ページ23

吹雪から染岡、染岡から風丸へボールが渡り全員が上がっていく。その中で2人、動かない選手がいた。1人はゴールキーパーの円堂、もう1人は

「木暮君、動きませんね…」

ディフェンスの木暮だ。心なしか不安そうな、信じられないというような表情をしているように水城は見えた。遠目なので実際はどうか分からないが。

「戦闘、開始!」

デザームが手を素早く前に突き出す。すると染岡にクリプトとファドラ、吹雪にスオームとメトロンが寄った。先程瞳子が言っていた、フォワードの動きを制限して攻撃を削ぐ動きそのものだ。現在雷門のツートップである2人を押さえ込むことで、こちらへのプレッシャーも狙っている。

「突っ込め風丸!!」

「いっけ───っ!!!!」

フィールドを走り抜ける風丸。ケンビルとタイタンがスライディングで奪いにくるが、それも高く跳んで躱(かわ)し、そのまま空中で塔子にパスを出すと鬼道に繋がった。

「ジェミニストーム戦の経験、ちゃんと活かされてるわね」

「はい!敵の動きを見切ってますよ!」

「だけど、染岡君と吹雪君は完全に封じられているわ…」

『1人ならともかく、2人はきついよね…』

2人が封じられたままゴール前まで上がってきた。鬼道は土門に回し、土門は一之瀬に回す。

「スピニング、シュート!!」

一之瀬の必殺シュートがデザームの立ち塞がるゴールへ向かう。しかしそれをディフェンスのモールとケイソンが平然と蹴り返した。そしてその蹴り返されたボールはそのままシュートとなる。不意打ちとも言えるそれに誰も反応できないでいた。

「塔子!壁山!」

「ザ･タワー!!」

「ザ･ウォール!!」

ディフェンスの2人が急いで中央に寄り必殺技を発動させる。2人は後ろに倒れながらも止めることに成功した。必殺技によって防がれたボールは上に弾かれ、それをマークを振り切って吹雪が取りにいく。しかしそれを追ってスオームとメトロンも跳んだ。

「「吹雪!!」」

円堂と染岡が叫ぶ。それに呼応するように、吹雪は巻いているマフラーに触れた。

「ふんっ!もらったぜ!!」

その瞬間、人が変わったように好戦的になる。腕を振って下に落ちスオームとメトロンを踏み台にすると再び高く跳んでボールを取った。もちろん踏み台にされた2人は反動で落下していく。

「エターナルブリザード…いっけえええええ!!!!」

そのまま強烈なシュートを打ち込む。それは誰もが決まると、思っていたのだ。