悪い男にはご注意を。 (ページ45)

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41話ページ45

私は彼のこんな顔を見たことはあっただろうか。

もしかして彼は、いつもこんな顔をして私のことを見ていたのだろうか。

そう思うと胸の奥がﾂｷﾝと少しだけ痛む。

しばらくの間そのままどちらも喋ることなくただただその場に立ち尽くしていると、ドンへくんがボソリと話し出す。

「ヌナ、は。」

「うん…」

ドンへくんの問いかけに私が答えれば、ドンへくんは私の手をそっと離し私の頬へと自分の手を当てる。

「ヌナは、ずっと俺の1番…。ずっとずっと、ヌナが一番大好き。」

私はその言葉に目を大きくして驚く。

「え、でも、だって…」

そんな私にドンへくんはしょんぼりした顔をする。
ちょっと申し訳ないかなと思ったけど…

そこはドンへくんも悪いから仕方ないよね←
なんて頭の中で考えているといつの間にか目の前のドンへくんの顔はしょんぼり顔から泣きそうな顔に変わって

「信じてもらえないのは分かってるよ…でも、ずっとヌナが大好きなんだ。」

本当なんだよ…。

そう言って、少し涙がたまったウルウルの瞳で私をじっと見つめる。

ドンへくんが本気なのは十分わかった。
だけど…そんなに私が大好きだって言うなら、私のところにこればいいはずなのに、どうして？

そんな疑問が頭の中に残る。

「じゃあなんで、ほかの女の子と…？」

と疑問をドンへくんにぶつけてみると

さっきまで泣きそうだったドンへくんのしょんぼり顔は

見る見るうちに真っ赤な顔へと変わっていった。