21話 DHside ページ23
「ドンへ！」
と俺を呼ぶ大好きな親友。
それに答えるように大きく手を振る俺。
そしてそれを見て笑う親友。
俺はそれを見て嬉しくなってニコリと笑う。
足の速い親友…ヒョクはもう既に俺の近くまで来ていて、
「なんでそんな笑ってんだよ笑」
そう言って俺の胸をコツんと殴った。
「ヒョクが走ってるのが面白くて」
俺が冗談でそう言えば
「やー…。笑かっこいいの間違いだろ？」
そう冗談で返してくる。
そんないつもどうりのやり取りが、いろいろなことがあったせいか、なんだかとっても嬉しく感じて
少しその空間を噛み締めていた。
「ドンへ、行くぞ？」
と俺が何の反応も示さないのに不思議に思ったヒョクに話しかけられて、少し我に返る。
「うん、そいえば、今日はどこで話すの？」
うーんと少し考え込むような動作をして
ヒョクは
「宿舎！」
と満面の笑みでいい、俺の有無を言わさないようにササッと俺を車まで誘導し発車させた。
それから数分、道が混んでいなくてあっさりと宿舎についた俺達はヒョクの部屋で向かい合って座る。
真剣な顔のヒョク。
話したいことはきっとヌナのこと。
「ヒョク、俺から話すよ…。」
そう言えばヒョクは驚いた顔をして俺の頭をよしよしとなでる。
「なんだよ笑」
そうヒョクに問えば
「泣きそうな顔、すんなよ笑」
そう言ってさらにわしゃわしゃと頭をなでられた。
「うん、ごめん。俺が泣いてちゃダメだよね。」
俺がそう言うとヒョクはゆっくりと俺の頭から手を離してにこりと微笑んだ。
それを合図に、俺はゆっくりとヌナと俺のことについて話し始めた。
______
しばらくドンへさんsideがつづきます！
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作者名：ありんこ | 作成日時：2015年12月11日 17時
