悪い男にはご注意を。 (ページ22)

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20話 EHside ページ22

ヌナから話を聞き終わってとても驚いた。

ドンへが他の子とキス…か。

それに聞けば今日は記念日らしいし…。

一体あいつは何がしたいのかよくわからない。

「だいたい、俺にあんなに惚気といて浮気とか…ありえないだろ。ヌナヌナ言ってるのに…。」

ドンへが浮気とは驚きで少し考え込む。
するとそんな俺を不思議に思ったのか

「ヒョクチェ？」
とヌナが顔をのぞき込む。

俺はハッとしてヌナに

「ヌナ…とりあえず、あんまり思い込んじゃダメ。わかった？」

と少し言い聞かせるように言う。

するとヌナは素直に

「う、うん…。」と頷く。

そんなヌナの肩をぐっとつかんで

「俺が、俺が絶対何とかする。絶対に。ヌナの悲しむ顔なんて、今後見れないようにしてあげる。」

俺の、小さな決心を告白する。
肩をつかむ手に力が入って、どれだけやる気満々なんだよ…と自分に少し呆れて笑えてくる。

「うん、わかった。ありがとうヒョクチェ」

さっきよりも少し笑顔になったヌナにホッとして

やらなきゃいけないことを思い出して少し焦る。

「じゃあ、俺は用事があるから行くね！ヌナも今日はもう仕事ないでしょ？早く帰りなよ？じゃあね！」

手早く別れを済ませて時間をちらっと見るともう既に待ち合わせの時間だった。

「やっべ。早く行かなきゃ。」

あいつの前でヌナにあってて遅れたなんて言えないから
あいつが遅れてくるようにと願いながら全速力で走る。

きっと、あいつも悩んでるから。
あいつにもいろいろあるんだと思う。

だから、まだあいつを見捨てないであげて、ヌナ。

俺がちゃんと、二人の間の壁をなくしてあげるから。

「俺が2人を幸せにしてやる」

そんなくさいセリフも今ならさらっと言える。

きっと沢山悩んでいる俺の大好きな親友とヌナのために、俺がしてあげられること

それは限られたことしかないかもしれないけれど

あのふたりが少しでも幸せになれるなら、なんだってしよう。

とにかく、大好きな人たちの悲しむ顔は見たくないから

俺は俺なりのやり方で少し手助けをしよう。

そんなことを考えながら走っていると、もう既に待ち構えている親友の姿が見えた。

「ドンへ！」
俺がそう呼ぶと嬉しそうに笑って手を振るあいつ。

その姿は年の割に子供っぽくて少し笑えるけど

ドンへが笑顔で、少しだけほっとした。