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願い12 ページ14

山姥切side


兄弟は震える手で俺の布を掴んでいる。
明らかに無理させているが、早く他の奴らにも慣れてもらって、安心してほしかった。



大広間の前まで来ると、中からは明るい声が聞こえてくる。


「兄弟。
ここにこの本丸の刀剣と主がいるが、
……本当に大丈夫か?」


顔面蒼白になっていて、震えも酷くなっている。


「き、兄弟が……大丈夫って……言うなら、」



途切れ途切れに声をだすその姿に、とても悲しくなる。




「それなら、俺が先に入るから、少し待っていてくれ」



そう言って兄弟を少し部屋から遠ざけて、広間に入っていく。



一気に視線が向けられて、兄弟は耐えられるのかと心配になる。


「主、兄弟を連れてきたんだが、こんなに大人数の前には出てこられないと思う。
だから、新撰組と国広派だけでまずは会ってもいいか?」




「ああ、もちろんいいz



ドサッ


うん?」



主の言葉を遮るように部屋の外から何かが落ちる音が聞こえた。



「主からの言葉を遮ったのは誰だ!?」


スパーンと障子を開ける長谷部に続いて廊下に出ると、そこには




戸惑っている歌仙、燭台切と、2人の方に向かってただただ謝っている兄弟がいた。



「歌仙、燭台切。何があったんだ?」



「い、いや、それが、僕たちにもわからなくて……。
厨から戻ってきたら堀川くんがいて、もう大丈夫なのかな?と思って声をかけたらこうなったんだ」



ようは驚いたんだな。



俺は庭に下りていき、兄弟の前でかがむ。



「兄弟。あの2人も俺たちの仲間だ。
だから、謝らなくていい」


振りはらわれるんじゃないかと思いながらも、兄弟の頭に手を伸ばす。


ビクッと体が震えてが、段々落ち着いてきたのか、表情が和らいだ。



「ほら、行くぞ、兄弟」




手を引いて広間の方に行き、新撰組と山伏を呼ぶ。



まずは馴染みの連中からだな。




せめて山伏と和泉守には心を開いてほしいと思う。

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紗月(プロフ) - 時雨さん» いえ、わざわざありがとうございます! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - …って、もう解決してたみたいですね。なんか、本当にすみませんでした(汗) (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 紗月さん» 黒真さんじゃなくてすみません。山伏の一人称は「拙僧」ですよ! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - すいません!山伏さんの一人称ってなんでしたか? (2016年10月5日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
黒真 - 山伏さんが昼餉を取りに行ったんですよね?だとしたら一人称が違いますよ (2016年10月5日 15時) (レス) id: 6f04cd4e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:合歓木 | 作成日時:2016年8月27日 2時

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