市野35 ページ37
カナside
玄関前はむせ返るような血の匂いと叫び声が充満していた。
「退いてください！
見習いさんを連れてきました！」
秋田の叫び声によってできた人垣の隙間を縫うようにして進んでいけば、彼の兄弟刀が三振り、倒れているのが見えた。
これは手入れ部屋に運ぶべきなのだろう。
だが、誰もそうしないのは何かわけがあるのだろう。
なら、どうする？
何を求められている？
ジッと秋田を見つめれば、彼は泣きそうな顔で俯き、震える手で服の裾を掴んだ。
「手入れ部屋、は……主の許可がないと使えなくて……主は短刀には手入れしないと言っていて、だから……だからっ、、、」
叫びは途中から嗚咽に変わり、倒れた者はピクリとも動かない。
かける言葉を持たない俺がこの場で出来ることは限られている。
(大丈夫)
そんな気持ちを込めて彼の頭を一撫でし、1番近くにいた乱藤四郎に手を伸ばす。
青い鶴経由で流していた手入れ用の霊力を意識し、血の巡りが早くなるイメージを持つ。
じんわりと手のひらが温かみを帯びる。
乱の傷が一つ、また一つと消えていく。
こんなに重傷の刀剣を直すのは初めてだからじいちゃんが心配していた霊力切れが起こらないか心配だが、そんなことより大事なことが目の前にあるのだから気にしない。
(直ってよ……じいちゃんが好きだった人たち)
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灰雪(プロフ) - 壬卯兎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とうらぶ小説一緒に増やしましょう！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月14日 20時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
壬卯兎 - 面白いです！なんかもう、書き方から何まで凄く参考になります…これからも頑張ってください！＆私もとうらぶ書いてるので一緒にがんばりましょう！更新楽しみにしています！ (2017年12月14日 8時) (レス) id: 1ea793e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 苺パフェさん» ありがとうございます！狭いジャンルなので初めて読むと言われると嬉しいです！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - 面白かったです！初めて読むタイプの作品でした。大変でしょうが、続きがめっちゃ気になるので、更新、頑張ってください！ (2017年12月12日 21時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 銀色ミカンさん» 応援ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 19時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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