検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:30,969 hit

疑問 ページ6

公安…ドラマや漫画の世界ではよく目にする職業



ただ、未だ多くの謎に包まれている管轄



知人や友人だけではなく、身内にすら自分が公安である人間と教える事はないと聞いた事がある



存在するというのは耳にするけれど、まさかそんな人達に実際に会うなんて…



私が黙りこんでいると、珈琲が目の前に運ばれてきた



「どうぞ…」



湯気と共に、珈琲豆のかぐわしい匂いがひろがった



目の前にある珈琲の香りに、私が少し心を奪われていると山田聡一が口を開いた



「安心しろ…毒なんかいれてねぇーから」



私が口をつけないでいるのをみて、感違いした様で面白くなさそうな顔をした



「そんな事…思っていません」

「あっそ…」



彼は小指を耳にいれほじりだし、指先に軽く息をはいて私の話を聞きながしていた



初めて見た時、助けてもらった時、そして今の彼…



ずいぶんと彼の印象が違い、別人ではないかと思ってしまう



そんな事を思っていると珈琲を出した彼が、山田聡一の肩を軽く叩いた



「すみません…気にしないで下さい。よかったら飲んで下さいね」

「はい…いただきます」



一口飲むと酸味はほとんどなく、ほどよい苦みが気持ちよくひろがり、香りが鼻から抜けていった



「おい…しい」

「よかったです」



彼が穏やかな顔で笑うと、山田聡一も出された珈琲を一口飲みカップを見つめた



「ここまで極めるかね…普通。退職しても安泰だな」

「それ、ほめ言葉として受け取っておきます」

「好きにしろ…」

「そうします」



2人のやり取りを見聞きして感じた



美味しい珈琲を笑顔でいれた彼も、やはりただの人の良さそうな人間という訳ではなさそう…



だけれど…



「本当に…公安の方なんですか…」



正体を明かさないと言われている公安の人間が、何故私に正体を言ったのかが分からない



2人は顔を見合わせ困った顔をした



するといままで黙っていた若い彼が口を開いた



「ホンマやで…そんなん嘘ついてもしゃあないやろ」

「普通…公安だって言わないんじゃないんですか?」

「あー。まぁ、そうやけど…相手によんねん」



そしてポケットからUSBメモリーを取り出した



「俺等が動いてんの…何でかわかるか…」



安田章大の事件が、ただの事件ではないってこと…



それとも…



危険人物だって、国が彼に目をつけたっていうの…



息をのみながら私は彼が握っているそれを見つめた

取引→←移動



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (199 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
522人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瀬取ぐりこ(プロフ) - 更新だー!これからの展開が楽しみです。頑張ってください (2020年1月18日 23時) (レス) id: bdea2fdbd0 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - メッセージのお話を少し書きかわっています。更新通知いってしまって読みに来てしまった方、申し訳ありません。今日、また更新すると思いますので気長にお待ち下さい!読者様、宜しくお願いします。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - 昼川 はるくさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでいただいたという事で、嬉しい限りです!不安に恐怖、リアルではないのにリアルに感じれる様に作っています。お褒めの言葉に感謝です!これからも頑張りますので、宜しくお願いします!ありがとうございました。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
昼川 はるく(プロフ) - 難しそうな内容だなと思いつつも構成に惹かれ気づいたらここまで来てしまいました(笑)不安と恐怖の煽り方がとても絶妙でドラマを見ている感覚に陥りました。人間の奥に潜む汚れた魂胆や真実を徐々に紐解いていく様子が美しく魅了されました。更新待っています! (2019年9月29日 5時) (レス) id: 0ceb2e4069 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - ふわふわさん» こんばんは。楽しみにしていたのに、なかなか更新出来ず、申し訳なく思っています!!ありがとうございます!これから少しずつになると思いますががんばります!コメントありがとうございました!! (2019年9月16日 19時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こじゅMAMA | 作成日時:2016年1月15日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。