移動 ページ5
3人に囲まれてしまった私は、警戒しつつも彼等の話を聞くことにした
車に乗るよう促された私は、緊張しながら車へと乗り込んだ
電柱の監視カメラへと視線をうつす
私の視線に気づいた小柄な彼が、私の視線の先をみた
電柱の先には、真っ黒なカラスが一羽とまっていて鋭く鳴き出した
「きしょ…っ」
そのカラスのおかげか、彼は特に気にした様子もなく中に乗り込んだ
監視カメラをジっとみると安田章大の姿が浮かび上がる
『A先生…』
頬杖をついた彼が、おもしろおかしく私達を見ている気がした
暗く冷たい塀の中に閉じ込められている彼
だけれど…
もしかしたら私達の方が狭くみえない塀に閉じ込められていて、彼の暇つぶしというものに付き合わされているのかもしれない
しばらくして車がゆっくりと止まった
止まった場所は、彼等に会った喫茶店
みんなで降りると、山田聡一がポケットに手をいれて鍵を取り出した
「どうぞ…」
山田聡一が鍵のかかった扉を開け、中へと入り電気をつける
中を見渡すと、ありとあらゆる所に白いシーツがかけられていた
「珈琲でいいですか？」
「どうせそれしかないんだろ…」
「ない事もないんですけど、早く出せるからいいかなって」
笑いながらサイフォンを準備する主人に、山田聡一が「インスタントはねぇーのか？」といいながら、タバコを咥えはじめた
そんな彼をみて、口に咥えているタバコを喫茶店の主人が取った
「ここの店でタバコはダメです…」
「はぁ？んなかたい事言うなよ」
「どうしても吸いたいなら、外に出て下さい」
「ったく、いつまでマスター気取りなんだか」
山田聡一と喫茶店の主人の2人が話す中、小柄な彼が私を見つめ「鈍そうに見えて…結構鋭いんやな」と呟いてきた
鈍そうという彼の言葉が引っかかりながら、何も説明がないのにも腹が立ち私は口を開いた
「本当に…あなた達なんなんですか！」
発した私の声の大きさに、3人は驚き私の顔を見た
「落ちついて…その…私達は怪しいものではなくてですね…」
「怪しくない…充分怪しいです。じゃあなんであんなところに居たんですか！？」
私がサイフォンの前にいる彼を睨みながら言うと、困った顔をしながら口を開いた
「それは…あなたが居たので…」
「バカっ」
山田聡一が頭を抱えこみ、彼の言葉にうなだれた
「チヨダ…そん中でもゼロなんて風に呼ばれている…俺等は公安の人間だ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬取ぐりこ(プロフ) - 更新だー！これからの展開が楽しみです。頑張ってください (2020年1月18日 23時) (
レス) id: bdea2fdbd0 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - メッセージのお話を少し書きかわっています。更新通知いってしまって読みに来てしまった方、申し訳ありません。今日、また更新すると思いますので気長にお待ち下さい！読者様、宜しくお願いします。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - 昼川 はるくさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでいただいたという事で、嬉しい限りです！不安に恐怖、リアルではないのにリアルに感じれる様に作っています。お褒めの言葉に感謝です！これからも頑張りますので、宜しくお願いします！ありがとうございました。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
昼川 はるく(プロフ) - 難しそうな内容だなと思いつつも構成に惹かれ気づいたらここまで来てしまいました(笑)不安と恐怖の煽り方がとても絶妙でドラマを見ている感覚に陥りました。人間の奥に潜む汚れた魂胆や真実を徐々に紐解いていく様子が美しく魅了されました。更新待っています！ (2019年9月29日 5時) (レス) id: 0ceb2e4069 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - ふわふわさん» こんばんは。楽しみにしていたのに、なかなか更新出来ず、申し訳なく思っています！！ありがとうございます！これから少しずつになると思いますががんばります！コメントありがとうございました！！ (2019年9月16日 19時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こじゅMAMA
| 作成日時：2016年1月15日 11時
