思い込み ページ13
その人影は、真後ろのカーテンが閉まっているベランダからのものだった。アレは、雷が光ったほんの一瞬の出来事
あたりが暗くなった部屋の中、不安な気持ちから、その様なものを見たのかもしれない。そう思いつつも私は近くにある携帯を握りしめ、ゆっくりカーテンへと近づいた
いまだ激しい風により、窓は揺れていた。そして雨の音も激しい音がしている。自分の鼓動が、低い嫌な音であたりを包み、全身をかけめぐって奏でていた
カーテンに手をかけそっと覗こうとすると、再び激しい雷が鳴り、目の前には人影が現れた。その音と人影に驚いてしまった私は、思わず目の前にあるカーテンを引いてしまった
するとーーー
目の前には、ニヤリと不気味に縦一列に笑いあう大きなトーテンポールが存在した。恐怖心が増えると、何でもないものが怖いものに見える
たとえば嵐の夜。木が揺れただけで【お化けが来たんじゃないか】と、何でもない物にベッドの中で震える子供がいる
まさに、いま自分がそれに近い状態だったといえる
そういえば昔から父は手先が器用だったのもあり、メイク以外にも撮影の小道具として、よく変な銅像や絵を描いていた。きっと、これもそのひとつに違いない
ただ、そんな変な物を作りすぎたのもあってなのか、亡くなった母親は父の創作活動についてよく抗議をしていた
昔は父専用のアトリエもあって、幼い頃、私はそこでよく遊んでいた
色んな画材道具に土、植物なんかも栽培しており、独特な香りのする場所
父の創作物はかなりファンもいて、たくさんアトリエを訪れていた。そして週に何度かワークショップも開かれていて、遊びを通しながら訪れる子と一緒に学んでいた
ただ、父は私を連れていくのに、何故か母の事は連れていかなかった。きっと、創作活動を反対していたからなんだろうか？
でも、母親が亡くなってからというもの、そのアトリエをすぐに売ってしまい、創作活動もすっかりやめてしまった
ふと辺りを見渡すと、この一帯全てが停電をしている様だった
すると握りしめている携帯が次々に震えだした
携帯に目をうつすと、同僚や友達。それから父の心配するラインだった。手の中にある少ない光と、それに私は救われた。落ちつきを取り戻し、ロウソクを探す事にした
この時、トーテンポールの上にある顔が、彼女が離れたと同時に1つなくなった事を彼女は気づかなかった
豪雨の激しい中、彼女をただ外から静かにその者は見つめていた
続く
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瀬取ぐりこ(プロフ) - 更新だー！これからの展開が楽しみです。頑張ってください (2020年1月18日 23時) (
レス) id: bdea2fdbd0 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - メッセージのお話を少し書きかわっています。更新通知いってしまって読みに来てしまった方、申し訳ありません。今日、また更新すると思いますので気長にお待ち下さい！読者様、宜しくお願いします。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - 昼川 はるくさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでいただいたという事で、嬉しい限りです！不安に恐怖、リアルではないのにリアルに感じれる様に作っています。お褒めの言葉に感謝です！これからも頑張りますので、宜しくお願いします！ありがとうございました。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
昼川 はるく(プロフ) - 難しそうな内容だなと思いつつも構成に惹かれ気づいたらここまで来てしまいました(笑)不安と恐怖の煽り方がとても絶妙でドラマを見ている感覚に陥りました。人間の奥に潜む汚れた魂胆や真実を徐々に紐解いていく様子が美しく魅了されました。更新待っています！ (2019年9月29日 5時) (レス) id: 0ceb2e4069 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - ふわふわさん» こんばんは。楽しみにしていたのに、なかなか更新出来ず、申し訳なく思っています！！ありがとうございます！これから少しずつになると思いますががんばります！コメントありがとうございました！！ (2019年9月16日 19時) (レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こじゅMAMA
| 作成日時：2016年1月15日 11時
