冒頭手続 ページ19
そして法廷係官が、安田章大の手錠と腰縄をゆっくり外したのを境に「では開廷します」と裁判官が低めに落ちついた声で宣言した
これが最初の合図となり【冒頭手続】へ入った
「では、被告人は台に立ってください」
ゆっくりと台に立ち、真っ直ぐ落ちついた面持ちで彼は裁判官を見つめた
「ではまず初めに…名前、生年月日、本籍地、住所、職業を言って下さい」
「安田 章大…1984年9月11日、本籍地は…」
この様に、裁判官がまず被告人の身元を確認していく
コレは『人定質問』と呼ばれ大事な確認になる
1つ1つ裁判官が被告人の身元を述べていき、被告人に確認していく場合もあれば、今日の裁判官の様に相手に全ての項目を述べてからこたえさせるケースもある
先輩弁護士によると、この聞き方によってどんな裁判官かというのが分かるという
私はそんなに場数を踏んでいる訳ではないので、先輩弁護士の様に特定は出来ない
それが終わると次に『起訴状朗読』へとうつる
これは被告人がどんな事件を起こしたかを検察官が説明し、最後に何条の何刑に基づいて起訴しますという宣言をするものになる
そして最後に、安田章大の一審の判決をそえて私と彼をギロっと睨んだ
被告人の悪い印象を法廷内に植え付けさせるのも彼等の仕事だ
この事件の再審を心よく感じていないのだろう
【安田章大】というとても可愛らしい天使に見える彼
でも…もしかしたら恐ろしいモンスターかもしれない彼を【極刑】とまではいかなかったけど『無期懲役』という重い刑を確定する事が出来た
きっと検察側からしたら、満足した結果だったに違いない
でも…再審が行なわれる事となった
再審申請が通るだけでも検察側は面白くない話のはず…
しかもヒヨッコの新人である私が弁護士相手と知った時
きっと検察側は、はらわたが煮えくり返る思いでいっぱいだったに違いない
潰しにかかるくらいの勢いで、私は挑まなくてはいけない
一審をひっくり返す事が難しいのは百も承知
そしてプライドにかけて、検察側は今度こそ彼を『極刑』にしようとするはずなのは目に見えている
最低でも【無期懲役】そう検察側は願っている
『ボクは0か100かしかを望まへんよ？…』
ふと彼の声が頭の中で聞こえた気がした
彼が望んでいるのは0か100…
そんな中途半端なモノじゃ駄目なんだから…
そして私も負けずに検察側を睨み返した
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こじゅMAMA(プロフ) - 瀬取ぐりこさん» なかなか更新せずにですみません。お返事も遅くなりました。ゆっくりと読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年1月18日 20時) (
レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
瀬取ぐりこ(プロフ) - お話の構成が天才すぎて、一気に読んじゃいました！ ２に行ってきます！ (2019年10月13日 15時) (レス) id: bdea2fdbd0 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - トランスさん» コメントありがとうございます。黒安田私も大好きです。更新遅くなったりしますが、更新頑張っていきますのでよろしくお願いします。 (2016年2月1日 18時) (レス) id: cfe8eab671 (このIDを非表示/違反報告)
トランス(プロフ) - 黒安田君好きです。カッコいいですよね。更新、楽しみにしてます。 (2016年2月1日 18時) (レス) id: fad6927b23 (このIDを非表示/違反報告)
∞ぽむりん∞ - お気になさらないで下さい！検討有難うございます！期待しています♪ (2016年1月31日 17時) (レス) id: 6e7478b2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こじゅMAMA
| 作成日時：2013年12月17日 14時
