眠れない日々 ページ16
私が、また彼に会いに行くと鼻歌を歌いながらえらくご機嫌だった
「なにか、嬉しいコトでもあったの？」
「ふふっ…カンカン踊りを今日から免除になったんよ…せやから嬉しいな思って！みんな寒い中並んでしとるのを、横になりながら見てたわ」
「それは、あなたが模範囚だから？」
私が、そう聞くと彼はお腹をかかえて笑い出す
「あははは…ちゃうよ？あ〜腹痛い。矯正監さんに愚痴ったら、やらんでええって話になったの」
1番上の人間と話す機会が、何で彼にはあるんだろう…？？
愚痴を言ったら何とかなるもんなのだろうか…
「もうすぐ、裁判やな…A先生も忙しいやろ？大変やから、来なくてええねんで？前日に会いにくればええよ？極刑のプランでええねんから…」
頬杖をつきながら、クスリと笑う
「極刑にはさせないって話したでしょ？大丈夫…やってみせるから…」
私がそう言うと、真顔になりながら口をひらく
「無罪に出来るん？？ボクは0か100かしかを望まへんよ？…やったら無罪にしてくれるんやな…期待しとくわ…今日は悪いケド疲れとるから、帰ってくれへん？A先生がどんな弁護をするんか…3日後…俺…楽しみやわ…」
そう言って、鉄格子のある窓を眺めはじめた
いつも、彼は何を思いながら外を眺めているんだろう
極刑か無罪…まさに0か100…
でも、やるしかない…それが彼の望みなら…
弁護士として、無罪を勝ちとらなければ意味がない
合法的手段で、彼を殺す極刑それだけは避けたい…
私の耳から彼が言ったあの言葉が、いつまでも離れない
彼の声がいつまでも耳から離れないので、夜も眠れなくなってきていた
勝たなくちゃ…勝たなくちゃ…勝たなくちゃ
そんな焦りばかりを感じて、この時生活をしていた
もうこの時、私は彼のペースにはめられていたのだと思う
でもそれに気付くのは、この裁判が全て終わってから1ヶ月後…
この時の私には、分かるはずもなかった…
彼が、本当は何を考えていたかを…
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こじゅMAMA(プロフ) - 瀬取ぐりこさん» なかなか更新せずにですみません。お返事も遅くなりました。ゆっくりと読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年1月18日 20時) (
レス) id: a147df293a (このIDを非表示/違反報告)
瀬取ぐりこ(プロフ) - お話の構成が天才すぎて、一気に読んじゃいました！ ２に行ってきます！ (2019年10月13日 15時) (レス) id: bdea2fdbd0 (このIDを非表示/違反報告)
こじゅMAMA(プロフ) - トランスさん» コメントありがとうございます。黒安田私も大好きです。更新遅くなったりしますが、更新頑張っていきますのでよろしくお願いします。 (2016年2月1日 18時) (レス) id: cfe8eab671 (このIDを非表示/違反報告)
トランス(プロフ) - 黒安田君好きです。カッコいいですよね。更新、楽しみにしてます。 (2016年2月1日 18時) (レス) id: fad6927b23 (このIDを非表示/違反報告)
∞ぽむりん∞ - お気になさらないで下さい！検討有難うございます！期待しています♪ (2016年1月31日 17時) (レス) id: 6e7478b2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こじゅMAMA
| 作成日時：2013年12月17日 14時
