【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ22)

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あなたが知らないことを、私は知っているページ22

「(友人2)」

授業の後、私はメモの差出人であろう(友人2)の席へ向かった。

(友人2)はなんともないような、平気な顔で私の顔を見つめ返してくる。

ほんの少しだけ、その視線に苛立った。

「なに、どうしたの？」

「このメモの」

私は(友人2)に、ノートの切れ端を見せた。

すると彼女の目は、まるで鬱陶しいものでも見るかのように細められた。

「それがどうしたの？」

平気な顔をしてそんなことを吐く(友人2)。

私は腹の底から吹き上げてくるような激情をどうにか理性で落ち着けながら話を続けた。

「……こういうの、やめて欲しいんだけど」

そこでようやく私に潜む感情に気づいたのか、ハッとした目で私を見る(友人2)。

この端切れは授業中に回ってきた、(友人2)から私への短い手紙だ。

別に、私のクラスではこんなことはざらにあったし、私もそれを楽しんでいた面もあった、

でも今、なんでこんなことを私がするのか。

その理由は、メモの内容にあった。

「ねぇ、私の"個性"が兄から渡されたって、なんでこんなことを流布した上で私にまで渡してきたの？」

この時の私は、冷静でなかった。

だからこんなに怒ってしまった。

イラついてしまった。

口端を釣り上げる(友人2)。

「そんなに怒ってるってことは、ホントなんだ」

「っ……！」

何も言えなくなる私の視界から、勝ち誇ったような笑みを浮かべ(友人2)は去っていった。