【ヒロアカ】ブラザー☆コンプレックス (ページ1)

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アルバムページ1

『焦凍にぃ！』

幼稚園の黄色い帽子を被り、小さな手を大きく振りながら兄に駆け寄るまだ幼い私。

『どうしたの』

『これ、焦凍にぃに作ったの』

幼児特有のふくふくした手をめいっぱいに広げて、一生懸命折った折り鶴を兄に見せる昔の私。

私と同じように、まだ丸っこくて小さい手で私の折り鶴を受け取る焦凍にぃ。

『ありがとう』

焦凍にぃは笑顔でそう言ってくれた。

「……」

おかしいな。

記憶が別人のもののようだ。

私は確かに轟家の人間で、焦凍にぃの妹。

自分でもそう確信しているし、父も兄姉もみんな、私のことを家族だと言ってくれている。

なのに、なぜだろう。

ふとした瞬間に、私がここの家の人間ではないような気がするのは。

そんな不安がよぎった時、私はいつも、幼稚園や小学校のアルバムをめくる。

そこには確かに、私と焦凍にぃの写真があるのに。

なぜか私は、この頃の焦凍にぃのことだけを思い出せない。