【進撃・リヴァイ】最初で最後の愛を。最終章～それでもあなたと～ (ページ3)

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リヴァイside

「準備出来ました。」

「ああ。」

透明の袋に入った、透明な液体を眺める。

俺は今から、この薬を体内に投与して……死ぬ。

いわゆる、安楽死、というやつだ。

Aが眠るベッドの隣に置かれた、簡易ベッドへ向かう。

Aの死から、十年は経った。

ウィンデは立派に成長し、今はもう社会に出て働いている。

俺はウィンデが社会に出るまで、生きた。

だが、頭の中にはいつもAがいて……

ウィンデには申し訳ないが、死ぬことにした。

簡易ベッドに体重を預ける。

ギシ……とスプリングが唸った。

仰向けになり、案内人とハンジが俺の視界に入った。

「それでは、点滴を始めます。」

「ああ。」

腕に針が刺さる、僅かな痛み。

その痛みさえも、Aに会えるという喜びで感じなかった。

「リヴァイ……」

だんだんと霞んでゆく視界の中、ハンジが俺の名前を呟いた。

「悪いな、ハンジ。最後まで……面倒を掛けちまって。」

「そんなことないよ。あなたはちゃんと生きた。だから、もう……」

なぜお前が泣くんだ、ハンジ。

言いたいことは、最後まで言ってもらわねえと……

「あ、りがとう……な‥‥‥最後ま、で……」

舌が回らなくなる。

視界が暗転し、俺の意識はそこで切れた。