翠色の瞳の貴方へ (ページ49)

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決心　#2 ページ49

「で、でもさっき私に質」
「私の能力は対象者に触れないといけないから」
「え！そうなの？」
「キス、したのね。シャルと」
「わ、忘れてパク！今のなし！」
「あらいいじゃない。隠すことないわよ」

恥ずかしさで顔に熱が篭る。所謂恋話、というやつを初めてしてみるけど、こんなにも恥ずかしいだなんて。照れて俯く私にパクは母の様な優しい声を掛けてくれる。

「幸せになりなさいね、A」
「パク……」
「貴方は必ず、幸せにならないといけないの」

パクが真っ直ぐ私の目を見てそう告げる。その言葉が心強くて、私に勇気を与えてくれる。

「うん、そうだね。勇気出してみるよ」
「それよりこの服、Aに似合うんじゃない？」

遅い青春を過ごしているみたい。
こうやって誰かとお喋りしながら買い物だったり、お茶したり、恋の話をしたり、助言を貰ったり、そんな普通の人が過ごしてきた日常を初めて知れた喜び。
この喜びは、母が私を産んでくれたから、そしてシャルや他の団員達が与えてくれたから感じられる。きっとかけがえの無い、私の財産になるだろう。

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