決心 #1 ページ48
車に乗り込み、シャルの運転で目的地へ着く。
「じゃ、また帰る時に連絡して。迎えに行くから」
そう告げるとシャルは戻っていった。
「シャルとはどう？ 上手くいってる？」
パクが微笑みながら私に問いかける。
上手くいってる……そもそも私達は付き合っている訳ではないから、上手くいくという表現が正しいのかも分からない。
「はは、どうだろ。見ての通り仲はいいよ」
今まであったこと説明しようにも時間が足りないし、何より恥ずかしいし、軽く交わした。
「大丈夫、記憶が教えてくれたわ。何かあったらいつでも相談してちょうだい」
つもりだったけど、パクは笑顔で話し出す。そうだった、パクは記憶を読めるんだった。
「な、パクどこまで……っ！」
「大丈夫。誰にも言わないわ、約束する」
「絶対だよ、絶対！ 付き合ってないのにキスしちゃったけど、私軽い女じゃないよね？ でも私がシャルを信じれるようになれるまで待っててくれるって」
誰にも話せなかった胸の内が溢れてくる。恥ずかしさなんて忘れて、早口で一方的にパクに伝える。
「シャルの誠意に私もきちんと答えたいし、シャルだけじゃなくて他の団員も、皆無事に帰ってきてくれるから少し安心出来てるの」
「そう、なら良かったわ」
「パク……ありがとう。でも、やっぱり付き合ってないのにキスって、駄目だよね？ パクどう思う？」
「お礼なんていいのよ。それと、さっき記憶を読んだって言ったけど、あれ嘘よ」
私が余りにもべらべらと話すからか気まずそうに笑って話すパク。思わず思考が停止する。
全部知られてしまってるから、と観念して話したのに……
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作者名：咲月 | 作成日時：2020年1月8日 0時
