友達で居続けたいよ ページ21
「今日からよろしくね」
地獄関連の仕事に就き始めた今日この頃。話を聞いている感じ、上層部に見回りの結果を提出する部門と見回り部門とエトセトラで別れているらしい。そうかと思いながら、わたしは見回りを申し出る。
「そっか、でも君は槍を使い慣れていないってアダム様からお伺いしたから……しばらくは先輩と一緒で、槍の練習をしようね」
うっ、そっか。でも最近、槍は使えるようになってきたんだけども。最近は重さが一定化してきたような感じがする。いや、もしかしたらわたしの腕や筋肉が常に鍛えられているかもしれない。
「……聞いて良いかな？わざわざアダム様に目をおかけになられていた対象であり、過去の天国では英雄みたいな扱いを受けた原始の天使の容姿に瓜二つにも関わらず、地獄の仕事が良いなんて申し出る理由をさ」
確かにそこは変に見えるかも、でも、悪魔と仲良くなりたい。天使だけじゃなくて、皆仲良くなれたら良いよね。そう上司の天使に伝える。
「エミリー様と似たことを言うって思ったけど、君はやっぱり見た目で原始の天使様にしか見えないんだよなあ……」
同じ思考を持つ熾天使様、いつかお会いしてみたいな。そう思いながら、わたしと地獄を歩く先輩を待つ。そして、その天使が来たので一緒に歩く。
「あ、天使ちゃーん！遊ぼ遊ぼっ」
エンジェルに出会って、彼が咄嗟に近寄って複数の手でわたしの顔をうりうりしてくる。ちょっとくすぐったい、思わず笑ってしまう。
「悪魔め！彼女に断りも無く勝手に触れるな！」
「えー彼女はお友達だけど……じゃ、おにーさんが相手してくれる？」
わたしから手を一切離さず、先輩天使を妖しい目つきで見詰めている。すると、先輩は少し怯んでわたしに目線を寄越した。
「何故悪魔と親しいかは、この際はつっこまないでおくけど……嫌じゃない？」
「んーもーっ！可愛いなあ、騙されても知らないよー？」
彼は男性だけど、女性っぽくわたしを弄んでいる気がする。だから、所謂疑似的同性で接触し合っている。先輩はわたしと彼を訝しんだ目で見ている。
「あーメイドちゃんとそっくりで落ち着くなあ……メイドちゃんも天使ちゃんって、癒し効果でもあるの？」
わたしは一般的天使だから。でも、エンジェルとは仲が良い相手として、接することができて嬉しい。
「俺も天使ちゃんと友達で居続けたいよ、本音だよ？」
そういう気持ちって嬉しいよ、お互いのその気持ちって大事だと思うもの。
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