とある人間の死後 ページ1
わたしは死んだらしい
死因は覚えていないが、そうだと大天使様に告げられた
同時に大天使様にすごく罵られた、生前のわたしがろくでなしだと言うことで主にねちねちと
それで悲しくなった、大天使様ってこんなねちっこい性格なのかって
でも、天使として職務を全うしろと言われたので、下級天使として天国の仕事に就かされた
周りの同級でもちょっとだけ上級の天使はとても優しいし、常に安心な仕事に就いているからとても心地よい生活を送っていた
わたしは他の天使と比べると羽が大きいとのことで、天使用のローブが届くのが遅かったけどそれに腕を通すのがとても嬉しかった
頭にはマスクを被っているように言われたけど、熱くて人目が無い所だと脱いで涼んでいた
ある日に、わたしは唐突に地獄に行くことになった
それは天国の見回りで、地獄に通じる門付近を歩いていた日のこと
近くに天使がいなかったので、武器を持つ手とは反対にマスクを持っていた
同じ下級の天使の同期に唐突に突進されて、そのまま地獄の門を通過してしまった
結構勢い良かったものだから、かなり吹っ飛ばされた
地面に叩き付けられたと同時に、気が付くと周りには地獄が広がっていた
周りは瓦礫やらひび割れた道、時々爆風や爆音がやって来ては悪魔たちの罵声や怒号が飛び交う
そんな悍ましい光景、それが地獄
びくびくして帰り道を探している所に、真っ赤な悪魔に出会った
彼はわたしを天界まで送ってくれると申し出た、何故か悪い悪魔じゃないかもと思って乗った
彼と歩いている間、昔話を教えてくれた
その悪魔と友人と思しき人の話、約束も叶えられたとかまた再会できて嬉しいとのことで
聞いている間は、ちょっともやもやしたけど嬉しそうに朗らかに笑む彼に水を差したくなくて聞いていた
あの悪魔とまた会いたいって思っていると、「じゃあね、A」って言ってくれた
また会ってくれるのかな、わたしでも良いのかな
そう思いながら天界に続く門をくぐった
でも、何でわたしの名前を知ってたんだろ
まあいっか、また楽しみなことが増えたんだもの
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