ゼイユ ページ36
「ちょっと、スグと何を話してたのよ！」
そんなこと言っても、あなたの愚痴だから話せない。そういう意味で苦笑いしか作れない。
「もう、最近Aとの方が仲良いし……どーゆーことよっ！」
そう言われても。昔馴染みだけど、他地方から故郷のキタカミに帰って来たら結構やんちゃな女性っぽい肩書きになってる。
最近と言っても、これまた昔馴染みのスグくんがわたしの後を付けてきて他地方の話をせがんでくる。それが可愛いの何の、弟に是非とも欲しいところだ。そう言ったら、今度は少し興奮した様子で声をかけてきた。
「じゃあ、あたしと付き合う？そんなら、あのコが弟になるわよ！」
すごい話の飛躍。それにわたしは彼女をそう言う目で見たことがない。それを伝えると、少ししゅんとした表情になった。
「そっか、ずっと前から想ってたんだけどなあ……あたしの一方通行かあ……まあ、スグも同じよね……」
何でスグくんの話が出てくるのか、まさかわたしに気があるとか？ないない。
「あの陰気なコが、久しぶりの昔馴染みと言えどもべたべたするように下心無しで自ら進んで近寄ると思う？あたしですら避けられてるのよ？」
そりゃ、今でも殴ってたらそうなる。そこをオブラートに包んで聞いてみると、僅かに目を泳がせた。
「それはそれ！これはこれよ！あんたがその気になるまでアタックするまでよ」
話が追いつかずに、頭の中に大量の疑問符が浮かぶ。何するんだろう、そう聞いてみると急に真剣な顔になった。
「そりゃもちろん、オとすのよ。そうね……」
彼女が近寄り、わたしの体に腕を絡ませてくる。わたしよりとても高い身長故に飲み込まれそうになる。壁際に追い込まれて、前にはゼイユが迫る。
「例えば、こうして……こう？」
と思ったら、今度は手を伸ばしてわたしの顎に指先が這わされる。それは触れているようで触れていないもので、そわそわして背筋がぞわぞわする。顔も近寄って来た。
「ねえ、ドキドキする？こっちもそうよ、ねえ？」
明かりが少ない瞳に見つめられて、それが少し身が縮み上がらせるのには変わらない。心臓はとても強く高鳴っていて、自分の目がとても泳ぐ。
「こっち見て？あたしはここよ？」
急に色気が強くなって、直視できない。同じ歳とは思えない、どうしてこんなにそわそわするんだろうか。
「これからよ、たーんと味わいなさいな？」
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さとうみさん(プロフ) - 彩華姫さん» コメントと感想ありがとうございます。彼を書くと重々しい存在に変貌しちゃって……原作以上に執着が激しいタイプになります。そのように仰っていただけて光栄でございます。 (1月26日 22時) (
レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
彩華姫(プロフ) - え？最高かよ。スグリ君可愛い！一生見ていたい！ (1月26日 11時) (レス) @page37 id: 8536fab23c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - さとうみさんさん» ヤンデレですか？！？！気になりますね.....無理の無い更新で頑張ってください！ (9月12日 13時) (レス) id: 2f33ea34aa (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - ひなさん» ご感想ありがとうございます。実はヤンデレ書こうと思ったんですが、急にこっちのお話が書きたくなってこっちになりました。ヤンデレトウヤくんはべつの機会に……(予定未定) (9月12日 6時) (レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 書いて頂きありがとうございます！！再会のお話とっても好きです....！！ (9月12日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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