ヒスイ地方のダイケンキ ページ30
※現代にやって来たヒスイダイケンキ
わたしの家の庭に、黒いポケモンがいた。何となくダイケンキに似ている風貌で、疑問で警戒を抱きながら物陰から眺めていた。
「お、おわっぁ！？」
後ろからぬっと現れたのは、その黒いダイケンキ。気配がないから驚いてしまった。こちらをじいっと至近距離で覗き込むように見ていたが、顔を近付けてきてほおをべろりと桃色の舌で舐めてきた。意味が分からなくて目が丸くなっていたけど、何故かまた舐められた。
「な、なにっ？え、え、え？」
それは至って真面目な顔で、わたしの顔を覗き込む。やっていることの意味が分からなさすぎて、困惑しかできない。
そして、未発達な前足でわたしの体に絡みつけるように凭れかからせる。
「え！？な、何！？」
知らないポケモンだから、どういう性格な個体が多いのか分からないので怖すぎる。ダイケンキっぽいから、秩序を重んじるような雰囲気はあるかもしれないけど色が色だけにもう一つタイプが追加されていそうで怖い。例えば、あくタイプとかゴーストタイプとか。
思わぬことを考えていると、急に体を預けてきたと思ったらそのポケモンに包まれていた。意味が分からなさすぎることが続くと、体まで混乱を起こしてまともに動かなくなるのかと思ってしまう。力強いポケモン相手ってこともあるかもしれない。
「……何がしたいの……」
思惑が図れない。ポケモンで無表情に近い顔つきで、何を考えているのか分からない。気紛れすぎる動作はポケモンの特権なのではと思い始める始末。
そのまま、黒い前足がわたしの体を放さんと言わんばかりで、もう片方の前足を地面に付けて歩き出す。三本足で人間を抱えてもしっかり歩けるのは流石だけど何でこうなっているのか意味が分からない。
「もしかして……わたしを食べたいの……？」
命の危機を感じて問い詰めると、そのポケモンは特にこっちを見ずにのっそのっそと向かっている。一体どこへ行くんだと思ったら、野生のポケモンが作ったであろう巣にどっかりと身体を投げ出した。自分ももれなくそこにいる。
大事そうにわたしを抱え、すうすうと小さな寝息を立てて眠り始めた。もしかして、わたしをフタチマルかミジュマルと勘違いしているのでは。いや、このポケモンの進化前もとい未進化なのかは全然分からないけども。
そのポケモンが起きて、とっとと放れようとしたけど何故か攻撃の構えをして睨んできたから逃げられないと悟ったのは別の話。
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さとうみさん(プロフ) - 彩華姫さん» コメントと感想ありがとうございます。彼を書くと重々しい存在に変貌しちゃって……原作以上に執着が激しいタイプになります。そのように仰っていただけて光栄でございます。 (1月26日 22時) (
レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
彩華姫(プロフ) - え？最高かよ。スグリ君可愛い！一生見ていたい！ (1月26日 11時) (レス) @page37 id: 8536fab23c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - さとうみさんさん» ヤンデレですか？！？！気になりますね.....無理の無い更新で頑張ってください！ (9月12日 13時) (レス) id: 2f33ea34aa (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - ひなさん» ご感想ありがとうございます。実はヤンデレ書こうと思ったんですが、急にこっちのお話が書きたくなってこっちになりました。ヤンデレトウヤくんはべつの機会に……(予定未定) (9月12日 6時) (レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 書いて頂きありがとうございます！！再会のお話とっても好きです....！！ (9月12日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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