ハッサム ページ28
野生のポケモンでは非常に珍しい真っ赤な鋼鉄ボディをもつポケモン。それはわたしの家の庭にある木の実のなる木に用があるみたいで、そこにあるヒメリのみをハサミのような手で丁寧に一個ずつ切り取る。近寄ると、ハッサムはヒメリのみをゆっくり優しく渡してくる。一応わたしのものだとは理解している様子だ。
その光景を遠くから眺めていたが、最近は顔を出しても逃げ出すようなことはなかった。図々しいのか、はがねタイプらしく動じないのだろうか。そのポケモンをを連れているトレーナーは強いイメージがあるので、そこまで身構えることはないのだろうと思う。
「ねえ、今日も木の実を採りに来たの？」
今日は珍しく、金色の眼差しでわたしを見る。何も用事が無いのに来ることはないだろう、ポケモンは本能が赴くがままに動いているイメージがある。
人間は我慢しなきゃいけないことがあるから、ちょっと窮屈。わたしも生まれ変わったらポケモンになりたいな、可愛いポケモンになりたい。
「えっ！？な、なに！？」
急に真っ赤なハサミをわたしの顔に寄せて来た。もしかして、お前の顔をちょんぎってやるぞ！なのか。それはマズイ、ポケモンに対抗する術は、スクールに通っていた時期にポケモンで対抗しろとか苦手をついた方法で追っ払えしか聞いたことがない。どうしよう、このまま切り刻まれて、キリキザンみたいな名前みたいな状態になっちゃうのか。
怯えが体中を支配するわたしに対して、そのポケモンはわたしの顔の皮ふをひんやりしたハサミの側面で撫でるように滑らせた。おそるおそる目を見ると、その眼差しは興味深げな感じがする。
「え、あ、あ……ほ、本当になにしてんの……？」
こんな素っ頓狂な内容しか頭の中に出てこない、それで実際に口にしているんだからとんだ変な話だ。すると、目の前のハッサムは目を丸くしてばっとわたしから手を引いた。そして赤い鋼鉄ボディに負けず劣らず、頬辺りが若干桃色っぽく染まったように見える。
何がしたいのか分からずにぽかんとしていると、また手を伸ばして来た。ハサミの手だけど、さっきとは違って全然怖くない。
「人間の皮ふ、触ったことないんだね。そりゃそうだよね、野生っぽいしそんなシザーハンズじゃムリだよね……」
また頬に伸びて来た手を拒まずに、今度はその大きなハサミに手を添える。全体的に冷たいけど優しく感じて、頬に触れている方はぽかぽかしてとても心地よくてたまらなく感じていた。
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さとうみさん(プロフ) - 彩華姫さん» コメントと感想ありがとうございます。彼を書くと重々しい存在に変貌しちゃって……原作以上に執着が激しいタイプになります。そのように仰っていただけて光栄でございます。 (1月26日 22時) (
レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
彩華姫(プロフ) - え？最高かよ。スグリ君可愛い！一生見ていたい！ (1月26日 11時) (レス) @page37 id: 8536fab23c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - さとうみさんさん» ヤンデレですか？！？！気になりますね.....無理の無い更新で頑張ってください！ (9月12日 13時) (レス) id: 2f33ea34aa (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - ひなさん» ご感想ありがとうございます。実はヤンデレ書こうと思ったんですが、急にこっちのお話が書きたくなってこっちになりました。ヤンデレトウヤくんはべつの機会に……(予定未定) (9月12日 6時) (レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 書いて頂きありがとうございます！！再会のお話とっても好きです....！！ (9月12日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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