ペパー ページ21
何故かペパーに髪を弄られていた。彼より少し長い程度だが、気が付くとバンバドロの尻尾みたいな結っている髪を鏡で見るとちょっと違う自分になっててすごいと見つめてしまっていた。
「どーよ、オレの出来前は！」
ネモとおそろいだと思っていると、彼はハッと我に返ったように小さく目を見開いていた。そして、違う髪型にされて、ゴムを外されて元の髪形に戻った。
「下に結うと四天王だし、お団子風にすればジムリーダーだし、どっちが良いんだ？」
知らんがなと思いながら、また本を見る。勝手に髪を弄っているんだから、好きなようにすれば良いと思う。さっきまで手にして読んでいた本に再び目を通して、後頭部や髪に来る揺れや刺激を楽しんでいた。彼が好きな髪型にすれば、好みってワケだからそれをすればきっともっと仲良くなれるんじゃないかと思っていた。
「よーし、また見てくれ。感想をすぐに欲しいからな」
手鏡をまた渡されて、見てみる。結局元のヘアスタイルでさっきまでしていたのはどうしたんだと思った。その表情で、ペパーを見てしまった。
「何だよ、今のAは不満ちゃんか？これでもオレなりにしてみたんだぞ」
どこが、自分なりにアレンジしました、だろうか。元の髪形で全然変わってない。それを言ってみるけど、彼は何故か悪びれたり開き直った様子を見せずにずっと同じ表情をしていた。最初からのどや顔で、人差し指を立てていた。
「説明をすると、どんな髪型にしてもAにならなかったんだ。つまり、この髪型ちゃんこそがAそのものじゃないかって思ったんだ」
にかっと白い歯を見せて良い笑顔のペパーに、一瞬脳みその処理が追い付かなかった。つまり、この髪型のわたしが彼の中で強く残っているのか。それはそれで嬉しいから、よく分からない負の感情が一瞬で消えた。わたしって意外と、そういう単純な生き物かもしれない。
「納得してくれたか？それは何よりだ」
がしがしとやや強く頭を撫でられて、ちょっと髪型が崩れた。さっきまでわたしの髪を丁寧に扱ってくれたのに、そういう所は途端にガサツになるのかとちょっと不思議な感覚がした。
「お、おお！オレのせいでAの髪が崩れちまった！すまんな、今すぐ直してやるからな！」
どうして気付かなかったんだ、それはそれで大丈夫なのか。でも、満更でもない。だって、わたしのことをずっと考えてくれていると思うとたまらなく嬉しいんだから。
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さとうみさん(プロフ) - 彩華姫さん» コメントと感想ありがとうございます。彼を書くと重々しい存在に変貌しちゃって……原作以上に執着が激しいタイプになります。そのように仰っていただけて光栄でございます。 (1月26日 22時) (
レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
彩華姫(プロフ) - え？最高かよ。スグリ君可愛い！一生見ていたい！ (1月26日 11時) (レス) @page37 id: 8536fab23c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - さとうみさんさん» ヤンデレですか？！？！気になりますね.....無理の無い更新で頑張ってください！ (9月12日 13時) (レス) id: 2f33ea34aa (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - ひなさん» ご感想ありがとうございます。実はヤンデレ書こうと思ったんですが、急にこっちのお話が書きたくなってこっちになりました。ヤンデレトウヤくんはべつの機会に……(予定未定) (9月12日 6時) (レス) id: aad9d9a6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 書いて頂きありがとうございます！！再会のお話とっても好きです....！！ (9月12日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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