【歌い手】同じでも違うもの (ページ7)

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七日目．双子ページ7

詩乃side

詩「話があるの、開けてくれない？」

話っていうのは潔癖症のこと

『・・・いいよ入って』

詩「ありがとう！」

そう言ってAの部屋に入った
でも、部屋に入るより先にAの顔の痣が目に入った

詩「ってその痣どうしたの！」

ちょっとわざとらしかったかな
Aは一瞬目を逸らしていつもの笑顔で言った

『何もない、ただぶつけただけ』

何もない？
そんなはずない
それはお母さんにやられたんでしょ？
どうして言ってくれないの？

詩「ちょっと待ってて！」

よし、リビングから救急箱持ってこよう！
ん？お母さんだ・・・
何してるんだろ

母「えぇ？今は無理よぉ！次の休みって言ったでしょぉ？」

電話・・・？
誰と？
　ﾋﾄ
もしかして新しい男？

そうだよね
だって普段は出さないような色っぽい声で話してるもん

詩「救急箱・・・」

母「あら、詩乃どうしたの？」

うわ、びっくりした
てかいつの間に電話終わったの？

詩「あのね救急箱探してるんだけど・・・」

母「救急箱ならそこにあるわよ」

詩「あ、本当だ！ありがとうお母さん！」

母「それよりどうして救急箱が必要なの？」

詩「え」

Aが怪我してるからなんて言ったら
またAに傷とか痣が増えちゃう
そうだ！私がって言ったらいいじゃん！

詩「さっきベッドから落ちて痣出来ちゃって・・・」

母「あらぁ・・・大丈夫なの？ちゃんと手当てしなさいよ？」

詩「うん！ありがとう！」

はぁ・・・
何とか乗り切れたけどお母さんはきっと気付いてるんだろうな

部屋に戻って嫌がるAに優しく手当てしてあげた

私がAの頬に触ったとき
Aの白い肌が一層白くなったというか青白くなった

叩かれるって思ったのかな

詩「・・・双子なのに私、Aのこと何も分かってない」

それに大丈夫ってAは言ってたけど
大丈夫だとは思えない

？「なしたん？」

詩「さかたん・・・」

坂「悩みでもあるん？俺でよければ聞くけど」

詩「本当！？」

坂「ほんまやで！」

詩「じゃあちょっと聞いてもらおうかな！」

？「俺も聞くでー」

詩「志麻くんもありがとう！」

志「大丈夫やで」

A、待っててね

私がAを助けるから・・・！！