【歌い手】同じでも違うもの (ページ3)

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三日目．LIME ページ3

Aside

-放課後-

『坂田さん行きますよ』

坂「ん？え？何処に？」

『何処って決まってるじゃないですか』

坂「・・・ゴクリ」

『貴方が大好きな詩乃のとこですよ』

坂「え」

『連絡先聞きたいんでしょう？本人に聞いた方が早いです』

坂「えぇぇぇ待って待って話ちゃうやん！！」

『なにが違うんです？』

坂「は、恥ずかしくて聞けん言うたやん・・・」

『はい？初対面なのにこんなに絡まれてそのうえ詩乃の連絡先が聞きたいとか言われて自分で聞けばいいんじゃないですかって言ったら恥ずかしいとか意味の分からないこと言い出して人を踏み台にするような人に自分を殺してでも協力してあげてるんですから異論は認めませんよ？』

坂「う・・・分かった、自分で聞いてみる」

『クラス分かるんですか？』

坂「・・・」

『はぁ・・・詩乃は３組、隣です』

坂「ありがとぉな！」

『じゃあ頑張ってください』

マスクしてるから分かんないと思うけど
上手く笑えてるかな
作り笑いって思われないかな

坂「おう！あ、せや永戸さん下の名前なんて言うん？」

『・・・は？』

坂「あ、いや、嫌やったらええんやけど」

『え、や、嫌って訳じゃない・・・ですけど』

待って
私の下の名前なんて誰も興味ないと思ってたから
すごいびっくりしてる

坂「せやったら教えてくれん？ついでにLIMEも」

『A・・・』

坂「ん？」

『Aです・・・下の名前』

坂「Aちゃん！よろしくな！」

『え、あ、はい・・・』

あのあと坂田さんとLIMEを交換して
放心状態のまま家に帰った

そういえば連絡先聞くの成功したんだろうか
って私が気にする事じゃないじゃん
私にあいつのことなんて関係ない

ピコンっ

『ん・・・あ、坂田さん』

坂田:Aちゃん！

A:はい

坂田:連絡先聞くの成功した！

A:おめでとうございます

坂田:Aちゃんのおかげやで

私のおかげじゃない
それは坂田さんが頑張ったからでしょ？
私は何もしてない
だから私なんかにお礼なんて言わないで

A:そんなことないです

それだけ送って私はLIMEを閉じた