【歌い手】同じでも違うもの (ページ12)

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十二日目.「幸せ」と「愛」ページ12

NO.side

目を開けたそこは

何処を見渡しても真っ暗

自分の姿さえも確認できないほどに

『・・・私、ﾀﾋんだ・・・？』

彼女は歓喜の声を挙げる

ずっとこのときを待ち兼ねていたかのように

『やった・・・これで、これで私は何にも縛られずにいられる！！あははっ』

彼女は狂っていく

『あはははっ・・・ははっ・・・』

本当の孤独を知らないで

『誰もいないの・・・？』

彼女は＿＿＿

『嫌だよ・・・一人は嫌・・・詩乃・・・詩乃・・・・っ』

私はずっとこれを望んでいたの？

これが私にとっての「幸せ」？

違う、こんなの「幸せ」じゃない

私が気付いてなかっただけ？

私が気付いてなかっただけで本当は愛されてた？

そんなことない

そんなことあるわけない

私はお母さんからも友達からも

見放されて

捨てられて

それは全部、詩乃のせいで

詩乃のせい？

違う、違う、違うよ

それは私が勝手に嫉妬して

詩乃に嫉妬してることが恥ずかしくて

詩乃に全部擦り付けて

私の、せいだ

？「A・・・！A・・・！聞こえる！？」

あぁ、あの人の声だ

？「ごめん、僕があのとき気付いてあげられれば・・・！」

？「Aちゃん・・・！！」

私の双子のお姉ちゃん、詩乃の声だ

『し・・・の、ん・・・っ』

詩「！！A！！A！！聞こえる！？」

『ごめ・・・んね・・・っ？』

詩「なんでAが謝るの！！謝るのは私のほうだよ！！」

違う、違うの

詩乃は何も悪くない

これは私が勝手にやったことだから、詩乃は何も悪くない

彼「Aちゃん、二度とこんなことしたらダメだよ？」

『ぁ・・・せんぱ・・・はい』

彼「はぁ・・・よかった」

真「Aー！！心配したんだよ！？もう！！」

『真冬・・・ごめん、ごめんね・・・っ』

真「Aのばかぁぁぁ！！」

坂「Aちゃん・・・ごめんな」

『坂田さんは何も悪くないですよ(ﾆｺｯ)・・・本当にごめんなさい』

坂「Aちゃんが謝る必要なんてない。俺が悪いねん」

詩「A！！ごめんね、ごめんね！！(ｷﾞｭｯ)」

『ぅ・・・ぁ・・・いや、だぁ・・・』

どうして私はこんなときでも

人を拒んでるの？