もう、知らない。【Satoshi】 (ページ12)

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そーいやぁー、和なんであそこにいたんだろ。

あいつの仕事ってフィールドの方だよね？

各学校で補助役員ていう仕事が割り当てられてて、
記録員だったり準備係だったりとたくさんあるんだけど、
和の仕事は確か芝生がひいてあるフィールドの補助だったはず。

やり投げとかハンマー投げの補助役員ってことなんだけど。

なんで私のところに？

私が競技を終えて戻ってくるのは100ｍのスタート地点の方だから、フィールドじゃない。

ましてや今の時間ってフィールドでやり投げが行われてるのに。

あれ？

やり投げが行われてる？

はっと思い出してスタンドの方に駆け上がりやり投げのピットを見る。

A｢あ、やってる...｣

ちょうどやり投げがスタートしていた。

じゃあ、和は補助行かなかったってこと？

A(え、でも仕事があってって言ってたよね？)

...サボったな、あいつ。

全く。和ったら。

いや、それよりも智くんだ。

この大会は、恐らく智くんのデビュー戦。

友達でもなんでもないけど、陰で応援したい。

そのままスタンドの座席に座り、やり投げのピットをじっと見つめていた。