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ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス ○○○ト ページ16

「えーと、カノトくん…」


「太宰お兄ちゃん、邪魔、しないで。僕、戦う!」


「カノトくん、いったん降りて来てもらえるかな?私の力じゃ君の羽やら矢やらを消せないからさ、ね?」


「なんで?」


「今はもう戦わなくてもいいんだよ」


「そーなの?」


カノトは羽と矢を消した。


「あのー、樋口さん。台詞は?」


「カノトくん…可愛いだけじゃなく、カッコいいだなんて!でもやっぱり可愛い!」


樋口、台詞を忘れてカノトに見惚れる。


「まあいいか…芥川くん、台詞」


「太宰さん、今回は退きましょう____しかし人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く」


「なんで?」


「簡単な事、その人虎には____闇市で七十億の懸賞金が懸かっている。裏社会を牛耳って余りある額だ」


「へえ!それは景気の良い話だね」


「探偵社には孰れまた伺います。その時素直に七十億を渡すなら善し。渡さぬなら____」


太宰が手をポンと合わせる。


「戦争かい?探偵社と?良いねぇ、元気で」


太宰が笑う。


「やってみ給えよ____やれるものなら」


「カノトくん、休み時間にまた遊びましょうね!」


「うん!樋口お姉ちゃん!」


「ちょっとそこ!勝手にほのぼのしないで!今シリアスな展開なんだから!」


「カノト、後で僕のところに来い。高い高いをしてやる」


「本当?ありがとう、芥川お兄ちゃん!」


「芥川くんも参加しないの!」


太宰はため息をついた。先が思いやられる。


「テープチェンジお願いしまーす」


これが今の太宰に言える精一杯の言葉だった。

小休憩 ○○○ト→←ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス ○○○ト



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作者名:三日月 | 作成日時:2019年4月27日 20時

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