ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス ○○○ト ページ13
なんとかお外に出れました。
けれどやはりまだ怖いのかカノトは谷崎の左腕にぴったりとくっついていた。
右にはカノト同様、違う意味でナオミがぴったりと谷崎の腕にくっついていた。
「あんまり外に出たことないんだっけ?」
谷崎がカノトに問う。
「父さんが、お外、出ちゃ、駄目だって。たまに、こっそり、お庭に出るの。見つかったら、怒られちゃう…」
カノトも拙い言葉で答えてくれた。
一生懸命なところがなんとも可愛い。
これは溺愛されて幽閉されるわ。
「谷崎お兄ちゃん、あれ、なあに?」
カノトが谷崎の腕をかるく引っ張った。
「あれ?あれはクレープって言うんだよ。食べたことは〜なさそうだね…」
「食べたい?」
「えっ」
カノトはもじもじしている。人に頼むのは気がひけるらしい。
「(なんか、可愛いなぁ)」
谷崎はそんなことを思うと、ナオミとカノトをくっつけたままクレープ屋に歩を進めた。
「クレープ2つ」
谷崎はクレープを注文するとカノトの頭を撫でた。
「遠慮しなくて良いんだよ」
カノトは頭を撫でられて嬉しそうだった。
そしてクレープが出来上がるのをとても楽しそうに見つめていた。
「はい。カノトくんの分」
谷崎が手渡すと、カノト目をキラキラさせてはまるで高価なものでも扱うような仕草でクレープを受け取った。
「あの…谷崎お兄ちゃん、耳、貸して」
「うん、なあに?」
谷崎はカノトに耳を近づけた。
「ありがとう、谷崎お兄ちゃん、大好き」
カノトがはにかむと谷崎は顔を真っ赤にさせた。
「兄様がナオミ以外に顔を赤くさせるなんて!カノトさん、実はライバルなのかしら⁉」
ナオミがそんなことを言っているのも気にせずにカノトは嬉しそうにクレープへパクついた。
今回はただのほんわか回になってしまいました。次からはやつがれ出します
続く。
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作者名:三日月 | 作成日時:2019年4月27日 20時