真っ赤【ロブ・ルッチ】 リクエスト･あさみかんさん ページ5
｢私と貴方は違うのよ｣
そう言った私をルッチが睨む。黙れ、と言わんばかりの顔だが、私は頭に血が上っていた。吐き出される言葉の止め方が、わからなくなっていたのだと思う。
｢貴方みたいに、人を殺したくて任務に行く獣と一緒にしないで｣
そこまで言って、ハッとした。
｢…そうかよ｣
冷め切った声音に、私は後悔の念に襲われた。彼がどのような人間であれ、こんなことは言うべきじゃなかった。
｢もういい。話にならん｣
呼び止めようとした私を、ルッチの鋭い目が睨む。その目に、私は言葉一つ発せなかった。
ただ、去っていく背中を見つめていることしかできなかった。
それからルッチに会うことがなかった。元々、お互いに別の任務が入っていたからわかっていたことだが、今の私には辛い。
(なんであんなこと言ったのかしら、私…)
潜入任務で僅かなミスを犯し、負傷した私にルッチが忠告しただけだった。忠告の仕方自体はいただけないものの、彼なりに私を心配してくれていたのだと、今になって気づいた。
負傷したことへの苛つきからカッとなった私が、間違っていた。
(私、本当に馬鹿だった…)
ため息をついて角を曲がった時、ドンと誰かにぶつかった。
｢！｣
顔を上げて言葉が出なくなる。こちらを見下ろしていたのはルッチその人だった。
｢…｣
心底嫌そうな顔をしている彼を見て、己の愚かさにほとほと嫌気がさす。
｢…あの｣
ルッチは話す気がないらしく私の横を通り抜けようとしていた。その手を掴む。
振り払うかと思ったが、不思議とルッチはそのまま足を止めてこちらを向いた。
｢まだ何か言い足りなかったか？｣
｢…！ち、がう…｣
声が震える。
｢謝り、たかったの｣
｢…｣
｢貴方に八つ当たりしてしまったから…｣
私はそっと頭を下げた。
｢ごめんなさい｣
許されるかはわからなくても、私の思いは伝えておきたかった。いつ死ぬかわからないこの世界で、妙な後悔は残したくなかった。
｢顔を上げろ｣
相変わらずの仏頂面だったが、拒絶するような雰囲気はなかった。
｢…次はない｣
｢…うん｣
私達はそれぞれのいく先に向かって歩き出した。
｢A｣
不意にルッチが私の名前を呼んだ。何事かと振り返ると、ルッチはこちらに向かずに一言だけ言った。
｢もう怪我はするな｣
私は思わず微笑んだ。
歩き出した彼の耳が真っ赤になっていたから。
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
