【旅立ち】 ページ8
『！！』
確かに、ジョースターさんの言うとおりだ。私は確かにアヴドゥルさんの炎から逃れ、彼に攻撃をする…その一連の流れをやってのけた。それも、自分の意志で。
ジ「…まだ自分の力が制御できない、と言い張るかね？」
ジョースターさんの言葉に、私は静かに首を横に振った。
『いいえ』
私は苦笑して、ジョースターさんを見つめる。
『私を連れて行くんですね』
ジ「ああ、もうここの施設の人間とは話はつけてある。さあ、荷物をまとめてきなさい」
私は黙って頷いて、応接間を出た。
『…よし』
もともと私物は少なかったし、荷物をまとめるのに時間はかからなかった。最後に、私は机の上に置いておいた写真を手に取った。
擦り切れて、もうかなりボロボロになってしまった写真には、まだ黒髪だった幼い私と家族が笑顔で写っている。そしてもう一枚、私と母さんが並んで写っている写真があった。
『私…行くね。しばらくは会えないと思うけど、心配しないで』
写真に向かってそう呟くと、私はカバンの中に写真をしまった。
『これで…いいわね』
服はもう着替えた。
黄色のノースリーブのニットに、黒のジャンパー、スキニージーンズ、ミリタリーブーツ…動きやすくて、自分の趣味にもあっている。
私は満足した気持ちで、姿見を見た。最後に母さんからもらったハート形のピアスをつけ、私はカバンを抱え上げた。
(行こう)
ぐるりと殺風景な部屋を見回す。
もうきっとここには戻らない。戻りたいとも思わない。
(ジョースターさん達には…感謝、しなきゃね)
私は部屋の扉を開けた。
隙間風の吹く寒い廊下とも、落書きとカビで薄汚れた壁とも、もうおさらばだ。晴れやかな気分だわ、と思いながらも私の心には一抹の不安があった。
これからDIOを倒す過程では、様々な危険が襲い掛かってくるのだろう。それが私の手に負えるのだろうか。吸血鬼、という化け物に私たち人間が勝てるのだろうか。
ジ「おお、A！準備はできたようじゃな」
『ええ、お待たせしました』
微笑んだ私に二人とも頷いた。
『それでは…』
ア「ああ、そうだ。ここの友人たちに挨拶はいいのかね？」
ああ…と苦笑して、軽く首を横に振った。
『それより…これからどこに向かうか、決まっているんですか？』
ジ「日本じゃ、わしの娘と孫がいる。」
ジョースターさんは不敵な笑みを浮かべた。
ジ「どうやら孫にも『悪霊』が憑いたらしいのでな」
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名無し(プロフ) - りとさん» いえいえ！とんでもないです！まだ全て読み終わってないのですが次々と気になってどんどん読み進めちゃいます(^^;)陰で応援しながら楽しみにしています！頑張ってください！ (2016年7月26日 21時) (
レス) id: 56539584bf (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん、初めまして！うわぁ、すみません…ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい限りです… (2016年7月26日 21時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして！とても面白くてワクワクしながら読ませていただいています！失礼ながら、途中からスタープラチナが「星の白銀」になっていました。「星の白金」ではないでしょうか？ (2016年7月26日 21時) (レス) id: 56539584bf (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 彰さん» 影さん、初めまして！あ！ほんとだっ！！うわぁ、すみませんm(__)mご指摘ありがとうございます！ (2015年8月17日 1時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
彰(プロフ) - 面白いです！あ、でも塔の灰じゃなくて灰の塔では？ (2015年8月17日 1時) (レス) id: 5162fe57bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年6月29日 2時
